ポテトサラダが映し出す日本人のマヨネーズへの情熱

「栄養と料理カード」でたどる昭和レシピ(2)ポテトサラダ

2017.10.06(Fri) 三保谷 智子
筆者プロフィール&コラム概要

 食べる直前に、前述の下ごしらえした野菜とマヨネーズ・ソース大匙5~10であえる。サラダ菜に塩・酢・こしょう・サラダ油各少量をふりかけて皿に敷き、その上にこんもりと盛る。今とは比べものにならないほど、手をかけたていねいな作り方だ。

 要点として、じゃが芋は丸のまま沸騰湯に入れて、再沸騰後、中火で30分ゆでることと、じゃが芋のようにでんぷん質の食材は必ず熱いうちに下味をすることの2点を挙げる。

 また、副材料の応用として、さやいんげん、キャベツ、二十日大根、なす、ピーマン、小かぶ、セロリ、花野菜、クレソン、アスパラガス、トマトと多種の野菜を紹介している。

 さらにりんごや夏みかん、桃、干しぶどうも挙げている。りんごや干しぶどう入りのポテトサラダは想像がつくが、「夏みかんや桃を入れると水っぽくなるのでは。どんな味になるのか」と素朴な疑問を持ってしまう。たんぱく質の食品ではゆで卵、ゆでエビ、白身魚、鶏肉、魚肉缶詰(水煮、フレーク油漬け)なども紹介している。

 要は、ポテトサラダは材料の応用範囲が広く、それらをマヨネーズがまとめてくれるということだろう。

くだものが入ったポテトサラダ――昭和45年

1970(昭和45)年12月号。彩りが喜ばれそう。にんじん以外に赤く見えるのはりんごの皮。
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 すでにポリボトル型のマヨネーズが一般的になっていた昭和40年代では、1970(昭和45)年12月号の「ポテトサラダ」がある。

 材料・分量とも前回の1953(昭和28)年8月号とほぼ同じだが、りんごが入っている。さわやかな甘味や彩り、さくさくとした食感を楽しむためのアイデアか。ここでもマヨネーズの作り方は別項目で取り上げている。

 果物入りとは学校給食の影響もあるのではないかと思い、長年、小学校の栄養士をしていた友人に聞いてみた。ポテトサラダはドレッシングやマヨネーズであえるが、果物は入れたことはないという。りんごは他のサラダに入れたことはあったが、子どもたちには喜ばれなかったそうだ。

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三保谷智子(みほやともこ)

栄養と料理』元編集長。2011年4月から香川昇三・綾記念展示室勤務。学芸員。

東京都出身。1977年立教大学文学部史学科卒業後、香川栄養専門学校栄養士科(現 香川調理製菓専門学校)へ進学、「栄養士」の資格を取得。その後、1979年女子栄養大学出版部雑誌編集課に入職、約30年『栄養と料理』の編集に携わる。1988年より2011年まで、10年間編集長を務める。途中、同部マーケティング課、書籍編集課に在席。

独立行政法人国立健康・栄養研究所外部評価委員。「食生活ジャーナリストの会」会員、NPO法人「野菜と文化のフォーラム」会員、NPO法人「くらしとバイオプラザ21」理事。現在、『栄養と料理』で連載「レシピの変遷シリーズ」を執筆中。


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