筋肉増量のダイエット効果は“ほぼ幻想”だった

基礎代謝量の増加より脂肪の燃焼を目的に

2017.02.24(Fri) 漆原 次郎
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筋力トレーニング。脂肪燃焼効果は得られても、この程度だと基礎代謝量を増やす効果はなさそう。

「筋肉増量で基礎代謝量を増やしてダイエット効果を得る」といった考え方が世間では見られる。説明は合理的だが、ほとんどの人にとってこの考え方は”幻想”に過ぎないようだ。

「筋肉をつけて、基礎代謝量を上げる」と言うが・・・

 収縮したり弛緩したりすることで、動物の体を運動させる器官。これが筋肉だ。量が減ると、運動するのも困難になるので、筋肉はある程度なければならない。

 一方、筋肉の量を増やすとどうなるかに目を向けてみる。すると「筋肉の増量がダイエット効果を高める」という話に出くわす。その理論はこうだ。

 筋肉は“カロリーの浪費家”であり、体をじっとしていても行われる代謝、つまり基礎代謝が激しく続けられている。そのため、筋肉を付ければ基礎代謝量が増えて、体は食などで蓄えたエネルギーをよく消費し、いつもダイエットしているような効果を得られる・・・。

 この理論による取り組みを、仮に「筋肉増量ダイエット」と名づけよう。インターネットのダイエット関連サイトでは、このダイエット法を薦めるような文言が見られる。

「トレーニングで体の内外の筋肉を増やすことによって基礎代謝による消費カロリーの量を増やすことができます」(「ダイエット食品事典」より)

「少し大股で歩く、姿勢を正しくして歩くなど、歩き方に気をつければ少しずつ筋肉をつけて、基礎代謝量を上げることもできます」(「ダイエットピンキー」より)

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1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。


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