日本人の観光客はあまり行くことのない対馬に韓国から昨年は15万人、今年は20万人超と観光客が押し寄せてきている。その理由はいったい何か。百聞は一見にしかず。身をもって体験しようと、観光客とは逆ルートだが対馬から釜山へ自分の足で渡ってみることにした。
韓国人が対馬を目指す3つの理由
その結果、分かったことはいくつかある。1つは日本からより韓国からの方が圧倒的に安く旅ができるということだった。運賃のみならず免税品まで安かった。
2つ目の理由は大都会で人口密度の高い釜山と自然豊かで静かな外国の観光地が目と鼻の先にあるという現実だ。釣りやサイクリング、トレッキング、海水浴などを楽しみたいというニーズはよく分かる。
ここまではすでに書いたが、さらに別のお目当てがあるようだった。
それは、免税品の購入である。韓国の釜山港や対馬の比田勝港で見た韓国人観光客の中の決して少なくない人たちが短期の旅行には似つかわしくない大きなスーツケースを抱えていた。
あまり旅慣れない私でも1泊2日程度ならキャスターつきのキャリングケースを引っ張っていくことはまずない。たいていは肩かけカバン1つで出かける。
しかし、対馬旅行を楽しむ韓国人観光客は欧州か米国に行くのかと思えるようなスーツケースを引っ張っている人が多いのだ。
昨年、カンボジアのアンコールワット遺跡を観光する韓国人観光客の話を書いた。
シェムリアップ空港でお土産をスーツケースにぎゅうぎゅうに押し込んでいる姿は、はるか昔の日本人団体観光客を彷彿させ、とりわけ印象的だった。
そのとき、彼らの大半が持っていたのは小型のスーツケースだった。韓国からアンコールワットなら普通は3泊4日程度なので常識的なサイズ。だから、韓国人全般が大きなスーツケースが好きというわけではないらしい。