(英エコノミスト誌 2013年12月7日号)

直近のPISAテストでの北欧教育の元スターの凋落で、より厳しいアジアモデルに関心が向かっている。

 10年前、数学の成績を重視した最初の学習到達度調査(PISA)が発表された時、フィンランドの青十字旗がランキングの上位でたなびいていた。

 同国の生徒たちは計算能力に秀でており、科学と読解力ではトップの成績を収めた。教育改革論者たちは、分け隔てがなく、高成績を上げ、ストレスの少ない教育の前途に魅了された。

フィンランド黄金時代の終わり

 以来、3年ごとに15歳の生徒が数学、読解力、科学のPISAテストを受けている。2012年には65カ国・都市で50万人もの生徒が机にかじりついて試験に臨んだ。

 12月3日に発表された結果は欧州の元チャンピオンに大きな屈辱を味わせた。フィンランドは2009年調査の成績と比べ、数学の平均得点が22点下がったのだ。

 それより小幅とはいえ、読解力と科学の点数も下がった(それぞれ12点と9点)。ニュースサイトのフィンベイは「黄金時代は終わった」と嘆いた。

 これらの結果はどれも驚くには当たらなかった。フィンランドの数学の成績は2006年以降、下がってきていた。だが、やはり点数が下がっているカナダやデンマークなどよりも急速に成績が悪化している。

 アジアの好調な国・都市(上海、香港、シンガポール)はトップの座を確立した。ヘルシンキでは今、激しい内省が行われている。

 フィンランドの学者のレーナ・クロクフォース氏は、意欲の低下と、数学教師とカリキュラムが熱意を生み出せないことが成績悪化の原因だと考えている。

 一方で、フィンランドの教育の平等主義的な性質が根本的な問題なのではないかと思い始めている人もいる。

 学力の高い生徒をさらに伸ばす技術プロジェクトを運営するユーハ・イア・ヤースキ氏は、クラスの大多数の生徒の学力向上に焦点を当てた教育は一番優秀な生徒を不当に扱うのではないかと心配している。

 もしフィンランドが、後れは大学で取り戻せると考えているのだとしたら、「甘い考えだ」と同氏は言う。

 フィンランド人はいかにして優位性を維持するか議論しているが、西側の多くの国はまだフィンランドを羨んでおり、急速な成績向上を遂げるエストニアやポーランドにも羨望の眼差しを向けている。対照的に、フランスとドイツは低位安定している。