実はバテやすい季節。疲れをもたらす春「独特の気候」とは

 寒い冬が終わり、すっかり春の気配となった。気温は暖かくなり、街中の緑も増える中で「さあやるぞ!」と気合の入っている人も多いのではないだろうか。なかには、これまでと違う環境で“新生活”を始めている人もいるはずだ。

 でも、実はそんな春こそが、もっとも気をつけるべき「疲れの季節」かもしれない。季節と疲れの関係では「夏バテ」という言葉をよく聞くが、本当は、春こそバテ対策が必要と言えるだろう。

 ではなぜ、春になると疲れが蓄積されるのだろう。理由は大きく2つある。「生活環境の変化」と「春特有の気候」だ。

 「生活環境の変化」については、想像がつきやすいはず。4月は1年の節目となるため、新しい職場や部署に配置されたり、勤務ルールが改正されたりして、生活リズムが変わることが多い。加えて、新たな人間関係の中で“気疲れ”するのも珍しくない。

 もうひとつ、疲れの理由として大きいのが「春特有の気候」だ。暖かくなって体はラクになる…と思いがちだが、そうは言い切れない。なぜなら、春特有の“寒暖差”が体には大きな負担になっているからだ。

 この時期の天気予報を見ていると、今日は一日中ポカポカ陽気だったのに、明日は「ふたたびグッと冷え込みます」というシーンによく出くわす。また、昼は暖かいのに夜は一気に寒くなり、1日の気温差が10℃を超えることもある。きちんと上着を用意していればまだ良いが、持っていなくて寒さに震えながら家路に着くなんてケースもあるだろう。そういった寒暖差に体は絶えず対応しており、知らぬ間に疲労が蓄積されるのだ。

 特に、体の曲がり角とされる40代を超えて、「最近疲れが抜けなくなったな…」と悩む人は要注意。今まで春の疲れなんて気にもしていなかったのに、急に傾向が変わるかもしれない。

 実は“バテの季節”ともいえる春。4月はそのど真ん中だからこそ、今すぐ疲れケアを始めよう。寒暖差への対策もさることながら、疲れの発生メカニズムを理解して、より健康的な体を目指すのもポイントだ。

疲労を減らすには、ミトコンドリアの対策が必要?

 では、疲れはどのようにして引き起こされるのか。カギになるのが、細胞内のミトコンドリアである。人間は、食事などで摂取した糖や脂肪分をミトコンドリアで分解して、エネルギーに変えていく。これが「代謝」と言われるもの。ただし、そのミトコンドリアの生産能力が低下すると、代謝が起きにくくなるため、疲れ回復が遅れてしまう。結果、疲労が溜まっていくという悪循環になる。これが、疲れの蓄積されるパターンの一つだ。

 大切なのは、どうやってミトコンドリアの機能を活発化させるか。そこで注目されているのが、人間の体内に含まれる「ALA」というアミノ酸の存在だ。

 ALAは、ミトコンドリアの中で代謝に関わっており、ALAの量が多いほどたくさんの糖と脂肪を燃焼してエネルギーに変換していくことがわかっている。ということは、体内になるべく多くのALAを持っていることが大切となる。

代謝が良い人と悪い人人間は、摂取した糖分を体の中で燃焼させ、エネルギーを作る機能を持っています。このエネルギー生産機能が低下すると、身体に様々な問題が起こります。


 しかし一方で、体内のALAは加齢とともに減少していくことも判明している。特に40代以上では、ピーク時の半分を切ってしまう。何より大切なのは、年齢ごとの基礎代謝量も、ALAの減少と同期するように落ちていることだ。

加齢による基礎代謝の減少とALA量の減少加齢による基礎代謝の減少とALA量の減少
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 ということは、外から積極的にALAを摂取して、加齢による減少分を補う必要があるだろう。実際、ある実験においてALAを摂取したところ、安静時の代謝が1.4倍に増加した(※摂取後6時間)という結果も出ているのだ。

 さらに、ALAを外から摂取する上で大切なポイントがある。それは、Fe(鉄)と一緒に摂ると、より効果を発揮すること。ALAは、体内でFeと合わさると「ヘム」という代謝に欠かせないものになる。ミトコンドリアのエネルギー産生に必要な物質シトクロムなども、このヘムから合成されるのだ。 

ALAとは?

注目度の高まるALA。サプリで効果的な摂取を

 ALAは天然のアミノ酸であり、ヒトを含めたほぼすべての動植物に含まれている。そのため、食品などから日常に摂取することが可能だ。なかでも、ワインや黒酢、たこといった食品に比較的多く含まれている。

 ただし、食品から毎日意識的に摂るのが難しい場合や、Feと一緒に摂ることでより効果を増やすには、サプリによる摂取も手段の一つとなるだろう。

 実際、サプリメントや化粧品など、ALAを配合した商品も増え続けている。昨年には、RIZAPからもサプリメントが発売され、同社のボディメイク事業に一役買うであろう存在として、期待と注目を集めた。ALAは、他にもさまざまな健康機能の向上をもたらすと期待されており、さらなる研究・開発が進んでいるようだ。

 そんな注目度の上昇を裏付けるかのように、2017年に入ってからは、ALAに関する商品や活動の受賞が相次いでいる。1月に行われた「ヒット商品賞・話題商品賞」では、「アラプラス 糖ダウン」(SBIアラプロモ)が、ヒット商品賞(健康食品・サプリメント部門)の優秀賞を受賞。また、ALAに特化した医薬品などの開発・製造販売を行うSBIファーマは、日本バイオベンチャー大賞の「経済産業大臣賞」や、手島精一記念研究賞の「発明賞」を受賞している。

 今後の体ケアにおいて、大きな可能性を秘めているALA。環境が変わり、過酷な寒暖差で“疲労リスク”の高まる春にこそ、ALAを摂り始めてみてはいかがだろうか。

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