クライアント企業の変革を目指し中長期的なインパクトを創出
コンサルティングファームの仕事は、激動する経済環境のなかで、企業をよりよい方向へと導くための変革を支援することにある。BCGパートナー、佐々木靖氏は「経営トップとの信頼関係をベースにして、従業員の方と一緒に中長期的な目線で課題解決に取り組んでいます。トップのみならず、現場も含めた組織全体が同じベクトルに向かうように、変革の触媒となることが私たちの主たる役割です」と説明する。コンサルタントが中長期的にクライアントと伴走することで、社内に新たな意識が浸透し、変革が組織にしっかりと根づく。これが、インパクトを実現し持続的な成長につなげるうえで不可欠だ。実際、BCGのクライアント企業の多くは、同社に厚い信頼を寄せ、中長期的なリレーションを維持している。
佐々木 靖 氏
資本主義社会で事業を営む企業にとって変革の目的は、当然のことながら収益力を上げ、成長していくことにある。それは大前提とし、BCGは「SHAPING THE FUTURE.TOGETHER.(未来を一緒につくる)」というミッションを掲げ、さらにその一歩先を見据えようとしている。佐々木氏は「単なる収益面だけではなく、世の中をよりよくする方向にインパクトを創出したい、と真剣に願い、それこそが当社の強みになっています」と話す。
BCGでは、NPOなどの公益法人にコンサルティングを無償で提供するプロボノ活動(専門家が知識・スキルを生かして行う社会貢献活動)も行っている。また、日々の業務を通じて、よりよい社会をつくることに貢献したい、という価値観を社員同士でも共有している。
変革を通して、成長し、生き生きとした雰囲気の会社になれば、そこで仕事をする人はやりがいを感じるようになる。充実感に満ちた従業員が家庭に戻れば、家族にも好影響を及ぼすに違いない。「私たちは、そのように社会をよりよくする仕事をしているという信念を持っています」と佐々木氏。
グローバル化、異業種間競争が進展するいま、BCGが持つグローバル・リーチ、幅広い業種・業界の支援経験も同社の大きな強みだ。グローバル・ワン・ファームとしてのBCGは、世界80カ所以上にオフィスを構え、国境を越えたシームレスなサービスをクライアント企業に提供できる。グローバルにビジネスを展開する日本企業の相談に応えるため、世界各地のエキスパートたちの知見を活用することも容易だ。また、産業財、消費財、金融、ヘルスケア、エネルギー、パブリック・セクター(公的機関)など、幅広い分野の専門家を擁し、それぞれの枠を超えて協働している。
グローバルな組織であると同時に、BCGは早くから日本の企業社会に深く根づいて活動を展開してきたファームでもある。東京オフィスは1966年にボストンに次ぐ二番目の拠点として設置され、今年50周年を迎える。日本企業の課題の広がりとともに、BCGの日本におけるサービスも進化を遂げてきた。