米原駅に停車する近江鉄道の車両。線路はここから南へ59.5km続く米原駅に停車する近江鉄道の車両。線路はここから南へ59.5km続く
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 ローカル線・近江鉄道線(滋賀県)の存続に向けたステップが、また一歩進んだ。

 2023年10月24日、滋賀県や沿線10市町の首長などで構成される近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会(地域公共交通活性化再生法で定める法定協議会)が滋賀県東近江市で開かれ、「鉄道事業再構築実施計画」の概要を大筋合意した。

 鉄道事業再構築実施計画は、ローカル線存続に向け同法が定める手続きの一つで、国に提出して国交相の「認定」が求められる。この認定を受けることで国からの補助金などの優遇を得ることができる。近江鉄道線の計画は年内にも正式にまとめられ、提出される見通しだ。

 存続か、廃線か――。二つの選択肢をフラットに並べ、存続の道を選んだ近江鉄道線。その方針決定をしたのはもう4年ほど前のことだが、24日の協議会も生ぬるい雰囲気はなく、存続に関し厳しい意見さえ飛び交う場となった。

 JBpressでは今夏より、協議会のメンバーで、協議会に設置された近江鉄道線活性化分科会の座長でもある土井勉氏(一般社団法人グローカル交流推進機構・理事長)の寄稿によるシリーズ・近江鉄道線「血風録」を配信してきた。今回はその番外編として、これまでの連載を振り返りつつ、最新の協議会での丁々発止のやりとりを紹介する。(JBpress編集部)

【近江鉄道線「血風録」シリーズはこちらから】
#1 地域鉄道の96%が赤字…コロナ後のローカル線にいったい何が起きているのか?
#2 鉄道事業はまるで“鈍重な牛” 激変期のローカル線「存続」の打ち手はこの2つ
#3 ローカル線危機、ななつ星デザイナーによる異例のイラストに見た国交省の本気
#4 まるでアニメな駅舎、懐かしの硬券…味わいある近江鉄道が迎えた存続の危機
#5 ローカル線・近江鉄道、22期連続赤字の末に挙げた白旗…そして沿線自治体は?
#6 近江鉄道が挙げた白旗「身勝手だ」「親会社に助けを求めて」…噴出した不信感

国の“お墨付き”を得る計画

 24日の協議会は、鉄道事業再構築実施計画の概要を大筋で合意することが主題だった。

 この計画は、鉄道事業を立て直すための手法を明確にするのが目的で、国に提出して国交相の「認定」を得る必要がある。この認定の意味について、協議会の場で事務局から「国が、採算性や安定的な事業運営を考えたとき、これで大丈夫だとお墨付きを与えるもの」と説明があった。