リニア中央新幹線南アルプストンネル静岡工区の工事予定地視察に向かう川勝平太静岡県知事(中央)ら=2019年6月13日、静岡市(写真:共同通信社)リニア中央新幹線南アルプストンネル静岡工区の工事予定地視察に向かう川勝平太静岡県知事(中央)ら=2019年6月13日、静岡市(写真:共同通信社)
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「毎日野菜を売ったり、牛の世話をしたり、物を作ったりとかと違って……」
 静岡県庁の新人職員に向けた訓示で職業差別ととられる発言をし、辞職願を出した静岡県・川勝平太知事。NHK報道によると、県に寄せられた批判の電話・メールの数は2400件を超えるという。川勝氏はこれまでも、物議を醸す発言を繰り返してきた。それでも県民に人気だったのはなぜか。スズキ・鈴木修氏はなぜ川勝氏を支援していたのか。そして、リニア中央新幹線の整備計画にどんな影響を与えるのか。長年、静岡県政を取材してきた元静岡新聞記者・ジャーナリストの小林一哉氏に話を聞いた。(JBpress)

>>>【前編】静岡県・川勝平太知事はなぜ人気だったのか?「川勝ウォッチャー」が見た、スズキ鈴木修氏との関係・辞任の裏側

退職金辞退、副知事を道連れにしておいて……

――川勝知事はこれまで、数々の不適切発言に加え、退職金をめぐっても県議会でひと悶着ありました。

ジャーナリスト・小林一哉氏(以下、小林氏):川勝知事は1期目、退職金辞退を選挙公約に掲げ、実際に受け取りませんでした。4070万円の退職金です。退職金返上に関する条例案を作り、県議会で可決されました。

 ところが2期目以降、川勝知事は「報酬審議会がもらってくれと言っている」などという理由を付け、退職金を受け取る方針に転換しました。

 2期目からはもらうのかよ、という話ではありますが、それ自体は別に法に触れることでも何でもありません。受け取るのは自由だと思いますが、問題は、副知事だけが退職金の受け取りを辞退し続けてきたことです。

 川勝知事の任期中に就任した3人の副知事はいずれも退職金をもらっていません。彼らの退職金は川勝知事の半分の2000万円くらいです。

 知事から直接「お前も受け取るなよ」と言われたかはわかりません。本人たちは表向きには否定しています。ですが、忖度はあったでしょう。ボスが退職金を受け取らない意向を示している中で、知事に指名される副知事が「自分は受け取ります」と言えるはずがありません。

 実質的に退職金辞退を副知事たちに強いながら、自身だけは受け取る方針に転換してしまったということなのです。

――4期目は任期途中での退任となりますが、今期はどのような方針でしょうか。

小林氏:意向を明確にしていません。退職金辞退は政治家のパフォーマンスですから、言わないということは、普通に考えれば受け取るのだろうと思います。

小林一哉(こばやし・かずや):ジャーナリスト。リニアなど静岡県の問題を追っている。著書に『食考-浜名湖の恵み』『静岡県で大往生しよう』『ふじの国の修行僧』(いずれも静岡新聞社)、『世界でいちばん良い医者で出会う「患者学」』(河出書房新社)、『家康、真骨頂 狸おやじのすすめ』(平凡社)など。『知事失格 リニアを遅らせた川勝平太「命の水」の嘘』(飛鳥新社)が最新著。現代ビジネス、プレジデントオンラインなどに記事を寄稿している。小林一哉(こばやし・かずや):ジャーナリスト。リニアなど静岡県の問題を追っている。著書に『食考-浜名湖の恵み』『静岡県で大往生しよう』『ふじの国の修行僧』(いずれも静岡新聞社)、『世界でいちばん良い医者で出会う「患者学」』(河出書房新社)、『家康、真骨頂 狸おやじのすすめ』(平凡社)など。『知事失格 リニアを遅らせた川勝平太「命の水」の嘘』(飛鳥新社)が最新著。現代ビジネス、プレジデントオンラインなどに記事を寄稿している。