故安倍晋三首相が打ち出した「アベノミクス」の正体とは?(写真は2019年4月13日、桜を見る会、写真:ロイター/アフロ)

 前回稿「いまや亡国的水準に達した『円弱』の主犯は誰か、歴史を振り返る」は、たとえ読まれなくてもいいから、操を立てて筋道をきちんと記しておきたいと思って入稿しました。

 ところが、予想に反して多くの方にチェックしていただきました。

 そのなかで、身近な学生たちから「なぜ円安になると株価が上がるのか分からない」という質問がありましたので、今回はそれを補い、その先の議論を続けてみたいと思います。

 前回稿の結論は、こういう見せかけだけ、大衆イメージ操作だけで集票してあぶく銭を回す傀儡政策で日本をダメにしてきた基本に教育の空洞化があり、人材育成とイノベーション以外に道はないというものでした。

 まさにそれを具現化するものとして、小池百合子都知事の「学歴詐称」が挙げられるように思います。

 まともにアラビア語が話せない「学力不在」「実力皆無」のままで「イメージ先行」、それでも瞬間風速で選挙に票が集まれば、後は口を拭う。

 まさにそれに重なる報道を目にしました。

 衆院選東京第15区の補選に、小池氏が「特別顧問」を務める「都民ファーストの会」副代表・乙武洋匡氏が出馬しました。

 このなかで乙武氏のSNSが「わたくし小沢一郎は、乙武ひろたださんを応援します 」とツイートし、直後に削除という報道を目にしましたので一言。

 本稿は、まさにこの補選投票の最中に書いていたため、チェックしてみますと、何か修正した後が載っていました。

 結果的に乙武氏は、トップ当選の立憲民主党の新人、酒井菜摘氏が5万票ほどを集めているのに対し、2万票にも届かず、高い知名度を誇りながら「5位」で落選。

 これはつまり「知名度が高く」+「投票されなかった」=「低評価が定着した結果の落選」を意味しており、仮にタレント議員であれば、今後担がれなくなる可能性のある結果です。

 さて、ここにある「小沢一郎」氏は元講談社の名物編集者で、1998年、いまだ早稲田大学に在学中の乙武氏に注目してデビュー作「五体不満足」をゼロから作った小沢一郎氏であって、立憲民主党の小沢一郎議員ではありません。

 なぜこれを強調するかというと、元講談社の小沢一郎さん、私は一緒にお仕事したことはありませんが、彼は亡くなられた俳優の小沢昭一さんのご長男で、文筆に関係する人なら大半が「この人あり」と知る人物であるからにほかなりません。

 どうしてここまで見え見えの、まさに瞬間風速的なウソをつくのか?

 そうまでして、つまりウソをついてまで、瞬間的な票が欲しいのか?

 そんなふうにして得た議席で、この先どういう仕事をするつもりなのか?

 ウソの先にはウソしか生まれません。同様に「アベノミクス」の「円安誘導」はウソの上にウソを積み重ねることで、国を危うくするところまで、事態を悪化させたと考えられます。

 すでにネットで十分情報を集められるようになっている現在の有権者は、そんなウソでどうにかなるほどバカではない。

 これが、有名人のはずが今回の「5位」。トップ3どころか4にも入らなかった選挙結果に出ていると思われます。

 現役の都知事が精力的に応援演説に駆け付け、泡沫候補と変わらない集票。これは都知事が出馬を取りやめるのに、一つのエクスキューズ、根拠を与える結果になったかもしれません。

「ファースト」の会の影響力はすでにブームが去り、浮遊票を集める力はすでに失われていることが、如実に示されている可能性があるでしょう。