歯ごたえに口触り、進化する食べやすさの測定方法

教科書が通用しない「テクスチャー測定」に挑む

2018.12.07(Fri) 佐藤 成美
筆者プロフィール&コラム概要
ゼリー、寒天、グミキャンディ。わずかな食感の違いからも、おいしさの多様性が生まれる。その裏には「食品の物性」が関わっている。

 味や香りはおいしさにとって重要だが、食品を食べたときの舌触りや歯ごたえ、つまり「食感」もおいしさを決める大きな要因だ。もしも食感がなかったら、毎日の食事はとても味気なくなるだろう。

 おいしさのカギを握る要素のひとつ、食感は「食品の物性」と深く関わっているのだ。

味のない寒天にもおいしさに違いが

 今年の夏、筆者は「寒天」にはまった。みつ豆やあんみつに入っている、透明で四角い食べものだ。テングサやオゴノリなどの海藻の粘質物(多糖類)を抽出したもので、食物繊維を多く含むため、ダイエットや健康によい食品と注目されている。

 だが、はまった理由はそれではなく、つるんとした滑らかな舌触りや口の中で砕けるのどごしが、暑い夏に小気味よかったからである。

寒天が使われたみつ豆。寒天は、テングサなどの紅藻類から粘液質を煮出し、凍結・乾燥させて作る。

 老舗のものやコンビニスイーツなど、寒天入りのいろいろな製品を食べてみたところ、製品によって寒天の食感は微妙に異なり、おいしさが異なることに気が付いた。さらに、棒寒天を使って自分で作ってみると、作り方が悪かったのか、舌触りはぐちゃぐちゃでこれが一番おいしくなかった。

 寒天自体にはほとんど味がないので、食感のみを楽しんでいたことになる。おいしさにとって食感がいかに重要かを強く感じた。

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サイエンスライター、明治学院大学非常勤講師(生物学)、農学博士。食品会社の研究員、大学の研究員、教員などを経て現在に至る。研究所の広報誌やサイトなどにも原稿を執筆している。著書に『「おいしさ」の科学』(講談社ブルーバックス)『お酒の科学』(日刊工業新聞社)など多数。


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