果物の「食べ頃」「当たり外れ」を見極める方法

甘味と酸味のバランスが風味の決め手

2018.11.02(Fri) 佐藤 成美
筆者プロフィール&コラム概要
食べ頃を迎えた数々の果物。果物は、狭義には木になる果実を指すが、広義には草本性のパイナップルやメロンも含める。

 実りの秋。ブドウやカキなど色とりどりの果物が店頭に並ぶ。果物のおいしさの特徴は、爽やかな甘味や酸味にある。さらには滑らかだったり、シャキシャキしたりといった歯触りもおいしさには欠かせない。ただし、果物には「甘い・酸っぱい」といった当たり外れがあるのも難点だ。果物の食べ頃とはどんな状態なのだろうか。

お菓子とは異なる果物の甘さ

 果物のおいしさといえば、まず甘いことである。この甘さはお菓子などの甘さと違って、爽快でさっぱりしており、たくさん食べても飽きることはない。その理由として、甘味を構成する糖の種類が異なることや、果物には水分が多く、酸味があることが挙げられる。

 果物の甘みは、ショ糖やブドウ糖、果糖、ソルビトールなどの糖類によるもの。糖の甘味は糖の種類によって異なる。

 ショ糖は砂糖の主成分で、お菓子などのなじみある甘さはショ糖によるものが多い。ショ糖の甘みを1とすると、ブドウ糖は0.6~0.7、果糖は1.2~1.7と甘味が異なる。果糖の甘みは糖の中でも強いが、キレのよい甘さなのである。また、冷たいほうが甘味を強く感じる。一方、ショ糖は甘味も強く、コクのある甘さだ。

 これら糖類の構成比は果物の種類によって異なり、それが果物の特徴的な甘さを生み出す。たとえば、果糖やブドウ糖が多く含まれると爽やかな甘さになり、ショ糖が多く含まれると濃厚な甘さになる。

 果糖を多く含む果物にはリンゴやナシ、ビワなどがあり、ショ糖を多く含むのはオレンジやグレープフルーツなどの柑橘類やモモ、熟したバナナなどだ。イチゴやブドウは、果糖とブドウ糖を半々ぐらい含む。

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サイエンスライター、明治学院大学非常勤講師(生物学)、農学博士。食品会社の研究員、大学の研究員、教員などを経て現在に至る。研究所の広報誌やサイトなどにも原稿を執筆している。著書に『「おいしさ」の科学』(講談社ブルーバックス)『お酒の科学』(日刊工業新聞社)など多数。


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