果物の「食べ頃」「当たり外れ」を見極める方法

甘味と酸味のバランスが風味の決め手

2018.11.02(Fri) 佐藤 成美
筆者プロフィール&コラム概要

 果物によっては、酸味成分など糖分以外の成分が多いこともあるので、糖度が高くても必ずしも甘くないことがある。特に果物の種類が違うと、糖類以外の組成が異なり、糖度を単純に比べることはできないので注意が必要だ。

果物の「当たり外れ」が減ってきた

 果物の糖分を簡便に分析する他の尺度や方法がないため、糖度や糖度計は広く使われている。屈折の仕組みを利用した糖度測定では果汁が必要だが、近年では、果物の非破壊分析技術の進歩が目覚ましい。

 たとえば、近赤外線を利用して糖度や酸度が測定されている。また、可視光線を当ててリンゴが蜜入りかを見分けたり、画像処理により食べ頃の色を見分けたりできる。分析機器の小型化も進み、はかりに果物を載せただけで糖度や酸度を測定できるものや、ポケットタイプの非破壊糖度計も開発されており、農場などの現場でも簡便に果物の品質を評価できるようになってきた。

 そういえば、近頃は果物を買っても「外れだ」と感じることは、以前よりも減ったような気がする。日本の果物は甘味が強く、品質がよいことで知られている。それは、品種改良や栽培技術の進歩によるものである。

 だが、国産の果物のみならず、輸入の果物でも外れが少ないのは、果物の検査技術の進歩によることもあるのだろう。今では、食べなくても野菜や果物のおいしさを人工知能で判定するスマホアプリも登場しているとか。近い将来、食べ頃を見逃すこともなくなり、果物に当たり外れがあるのは過去の話になるかもしれない。

 11月はミカンやリンゴの出荷が増えてくる。今年の早生ミカンは味がよいそうだ。果物をおいしく味わい、実りの秋を満喫したい。

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サイエンスライター、明治学院大学非常勤講師(生物学)、農学博士。食品会社の研究員、大学の研究員、教員などを経て現在に至る。研究所の広報誌やサイトなどにも原稿を執筆している。著書に『「おいしさ」の科学』(講談社ブルーバックス)『お酒の科学』(日刊工業新聞社)など多数。


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