経済が低迷しデフレに向かって突き進んだ20年前の日本を彷彿させるかのような米国。一方で5年前に作成した第11次5カ年計画をはるかに上回る高い経済成長を続ける中国。
中国と米国が同じ病に冒されている
太平洋と東シナ海に面して日本と向き合う世界の2つの超大国は、まるで鏡に映したように対照的な姿を見せている。
しかし、皮肉なことにその両国はいま、双子のようにそっくりな問題に直面し苦悶し始めている。
中国の問題とは、内陸部で頻発し始め一向に収まる気配を見せない反日デモである。
これが外交カードに使ったり共産党内部の権力闘争のために使ったりするための完全にコントロールされたデモであれば何の問題もない。
しかし、実態は全く異なるようである。「対日デモ鎮火せず、内憂外患の中国」の筆者であり、中国政府の要人とも深いパイプを持っている加藤嘉一さんは次のように言い切るのだ。
「野党や軍人が胡錦濤国家主席、あるいは、軍事委員会副主席に就任したばかりの習近平氏の邪魔をしたという事実を立証するための証拠を持ち得ない」
「説明可能なのは、中国共産党のガバナンス力が著しく低下しているという事実だけである」
なぜならと加藤さんは言う。
「昨日(10月16日)の対日デモは合法的な行為と認めるが、本日以降の一切のデモ・集会は違法行為とみなす。仮に行った場合には、法に基づいて粛々と処罰する」