「人との食事」はお気楽に、「ぼっち食」は胸を張れ

ビジネスパーソンの孤食と共食が意味するもの(後篇)

2016.04.15(Fri) 漆原 次郎
筆者プロフィール&コラム概要
人間関係に変化が生まれるこの季節。とくに新入社員の人は平日ランチも気が抜けないのでは・・・?

  ビジネスパーソンにとっての、昼食時の「孤食」と「共食」それぞれを見つめ直すべく、前後篇で記事をお届けしている。

 孤食は気楽だが、さびしい。共食はさびしくないが、話しながら食べるのがたいへん。どちらも平日は毎日やってくる時間だから、せめて問題のない、できれば有意義な時間にしたい。

前篇では、孤食と共食の場で、人びとはどんな行動をとっているのかを見てきた。食事中の人びとの行動のしくみを分析する東京電機大学インタラクション研究室研究員の徳永弘子氏が解説してくれた。孤食での行為は単調になりがち。共食では食べものが人と視線を合わせるのを回避する“逃げ場”として使われているといった話を聞いた。

 時は4月。新入社や人事異動で、昼食の環境ががらっと変わったという人も多いことだろう。民間企業の実態調査によれば、平日の昼間、孤食をしている人と共食をしている人の割合は半々ぐらいというデータもある。

 そこで後篇では、ビジネスパーソンの昼食を想定しつつ、孤食と共食それぞれについて、行動分析の見地から心がけたいことや現実的な問題・悩みへの助言を徳永氏に聞くことにする。

孤食では偏食と食べ過ぎに注意

――まず、孤食については、1人きりで食べるのが習慣化して当たり前という人もいると思います。そういった人が心がけた方がよいことはありますか。

徳永弘子氏(以下、敬称略) 一般的に、1人で食べることを続けていると、自分の好きな食べものに偏りやすい傾向はあります。

 同僚たちと店に入れば、「こないだも同じもの食べてたね」とか「またお肉、食べるの」とか言われたり、そう思われることを意識したりするでしょうが、1人だとそのあたりを気にする必要がなくなるからです。

 そのため、孤食のほうが栄養面の偏りが出やすいと、よく言われています。孤食が多い人は、意識的にバランスのとれた食事を心がけるとよいと思います。

――ほかに、孤食で心がけるとよいことはありますか。

徳永 栄養の過剰摂取にも注意が必要です。人と話しながら食べるより、1人で食べるほうが食事時間が短くなる傾向はあります。

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1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。


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