今週の感想は一言。よくもまぁ日本はなめられたものだな、である。この時期に必要かどうかも怪しい代表選挙に政権与党がうつつを抜かしている間に、為替市場は1ドル82円台にまで高騰していった。
民主党代表選の隙をつかれた日本
一方、尖閣諸島では、中国のトロール船が海上保安庁の立ち入り検査を拒否しようと、体当たりを食らわせた。
隙あらば尖閣諸島に上陸して既成事実を作ろうとの狙いも見え隠れする。実際、ここ数カ月その手の噂が飛び交った。
しかし、世界の為替ディーラーが、日本の介入を一様に驚いてくれた結果、日本単独の介入にもかかわらずかなりな効果を得ることができた。
また、尖閣諸島では、まさか日本が中国船を拿捕して船長を逮捕するとは思わなかったというサプライズが、中国政府を慌てさせた。
その結果、中国へ赴任したばかりの丹羽宇一郎大使は気の毒にも、中国政府に5回も呼びつけられ、しかも5回目は深夜零時過ぎという異例な対応を迫られた。
こうした事件は、裏を返せば、為替介入にしても中国船の船長逮捕にしても、優柔不断な日本に、しかも政権与党の代表選の最中にはできるわけがないという読みが中国や世界にはあったということだ。
結果は適切な処置を実行できて、ことなきを得たということになるのだが、一歩対応を間違えれば、日本の国益を大きく損ねる危険性もあったわけで、手放しで喜べることではない。
実際、今の日本は生き馬の目を抜くような為替ディーラーや日本の領土を虎視眈々と狙う中国からみれば、隙だらけに見えている。