今週の感想は一言。よくもまぁ日本はなめられたものだな、である。この時期に必要かどうかも怪しい代表選挙に政権与党がうつつを抜かしている間に、為替市場は1ドル82円台にまで高騰していった。

民主党代表選の隙をつかれた日本

今週のランキング
順位 タイトル
1 日本が目指すべきは、大国かそれとも小国か
2 尖閣諸島事件で、日中関係は過去最悪に?
3 中国で売掛金を回収できない日系企業
4 ネットで盛り上がる「小沢ブーム」は危険な兆候か
5 日本の防衛技術が危ない!
6 丹羽大使の「原罪」
7 民主党代表選:ダークサイド
8 中国人はなぜ世界中で嫌われるのか
9 尖閣問題で日中関係は再び冬の時代に戻るのか
10 宮古海峡を堂々と通過した中国海軍の真意
11 地方と離島が危ない、実質支配へ虎視眈々
12 米国の大学:緩やかな衰退
13 腰抜け政府よ、日本の領土が侵されるぞ
14 西太平洋を舞台に、米中軍事対決が始まった
15 「9.11」より「9.15」の方が世界を変えた理由
16 自転車って本当に環境にいいんですか?
17 日本を蔑む米国が、代名詞に使った国々
18 金正日の死去間近? 大混乱必至の朝鮮半島
19 日本の帝国陸海軍と人民解放軍の類似点
20 存在意義の薄い日本のようになる欧州

 一方、尖閣諸島では、中国のトロール船が海上保安庁の立ち入り検査を拒否しようと、体当たりを食らわせた。

 隙あらば尖閣諸島に上陸して既成事実を作ろうとの狙いも見え隠れする。実際、ここ数カ月その手の噂が飛び交った。

 しかし、世界の為替ディーラーが、日本の介入を一様に驚いてくれた結果、日本単独の介入にもかかわらずかなりな効果を得ることができた。

 また、尖閣諸島では、まさか日本が中国船を拿捕して船長を逮捕するとは思わなかったというサプライズが、中国政府を慌てさせた。

 その結果、中国へ赴任したばかりの丹羽宇一郎大使は気の毒にも、中国政府に5回も呼びつけられ、しかも5回目は深夜零時過ぎという異例な対応を迫られた。

 こうした事件は、裏を返せば、為替介入にしても中国船の船長逮捕にしても、優柔不断な日本に、しかも政権与党の代表選の最中にはできるわけがないという読みが中国や世界にはあったということだ。

 結果は適切な処置を実行できて、ことなきを得たということになるのだが、一歩対応を間違えれば、日本の国益を大きく損ねる危険性もあったわけで、手放しで喜べることではない。

 実際、今の日本は生き馬の目を抜くような為替ディーラーや日本の領土を虎視眈々と狙う中国からみれば、隙だらけに見えている。