機械には真似できない天ぷらの奥深さ

変わるキッチン(第12回)~揚げる

2015.04.24(Fri) 澁川 祐子
筆者プロフィール&コラム概要
えびを揚げて天ぷらにしているところ。江戸の街では屋台で食べられる庶民料理だった

 揚げものは後片付けが大変だと言われる。

 私も実際、そう思う。コンロまわりは油でベトベトになるし、残った油をどうするかも悩ましい。だから、滅多に揚げものはしない。

 とはいえ、揚げもの断ちをする気は一切ない。外はカリッとなかはジューシーなから揚げやとんかつ。サクサクとした軽い衣をまとった天ぷら。そして、たまに無性に食べたくなるポテトフライ。

 思い出すだけで、お腹が減ってくる。油は、やみつきになるコクを構成する重要な要素だとされるくらいだから、その“吸引力”には絶大なものがある。

 そんな「揚げものは面倒だけれど、でも食べたい」という人々の引き裂かれる思いを反映して、最近では「油を使わない揚げもの」がいろいろと登場している。そうなると、もはや揚げものではないのではないかというツッコミはさておき。

 先陣を切ったのは、2004年にシャープが発売した過熱水蒸気オーブン「ヘルシオ」だ。ノンオイルでヘルシーなから揚げができるとあって、話題になった。

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1974年、神奈川県生まれ。東京都立大学人文学部を卒業後、フリーのライターとして食や工芸・デザインを中心に、読むこと、食べること、暮らすことをテーマとしたインタビューやルポ、書評を執筆。『森正洋の言葉。デザインの言葉。』(ナガオカケンメイ監修、美術出版社)、『最高に美しいうつわ』(SML監修、エクスナレッジ)の取材構成ほか、近著に当連載をまとめた『ニッポン定番メニュー事始め』(彩流社)がある。


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