今週の1位は安全保障に関する記事「世界の軍事バランスを劇的に変える新技術」だった。国防論の記事と違い、新技術を扱ったもので分かりやすく示唆に富む内容だった。
核兵器はもういらない?
レーザー技術の進歩が今まで世界で築き上げられてきた軍事体系を根底からひっくり返す可能性があるという。
例えば核ミサイルをいくら持っていても、新型の高性能レーザーによって空中あるいは宇宙空間で破壊されてしまう。
そうなると、核という人類がいまだに十分ハンドリングできていない危険物質を国内に大量に抱えることは安全保障上にもリスクになりかねない。
アジアが軍事大国化を進めている中国の脅威にさらされている状況で、こうした技術の登場は、日本の安全保障問題を考えるうえでも考慮しておく必要がある。
今までの技術にいくらカネを注ぎ込んでもムダになる危険性があるからだ。
2位は先週の1位から引き続いての「運はコントロールできる?ビッグデータが明らかにした「できる人」の秘密」だった。
3位に入ったのが英エコノミスト誌の記事「台湾と香港:だから言っただろう」。台湾は現在の馬英九総統によって中国寄りに大きく舵を切った。
しかし、中国経済の減速に加えて香港の学生が起こした民主化を求めるデモへの対応を巡って、台湾の中国に対するイメージは大きく崩れ始めた。
エコノミスト誌は「だから言っただろう」と言う。中国が民主化を進めることなどはなから期待してもムダだったのだ、と。
台湾に限らず韓国も中国寄りの政策を進めてきた。経済の勢いを見て機敏に対応する点は、大陸の大国周辺にある国としては当然とも言える判断だったのだろう。
しかし、その政策が正しかったのか。その答えは楽しみに待っていたい。