(2014年11月7日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

日中路線のキャンセル1万1000人超える、日中関係悪化が影響か

習近平国家主席と安倍晋三首相の初の首脳会談で、日中関係は改善に向かうのか?〔AFPBB News

 習近平氏が2009年に中国国家副主席として来日した際、直前になって天皇陛下との会見を求めた。1カ月前までに会見を申請するよう求める宮内庁の規則にもかかわらず、日本政府は慣例を破り、拝謁を認めた。

 中国の次期指導者としての習氏の重要性と、修復に向かっている関係を生かしたいという望みを反映した異例の措置だった。

 あれから5年。両国関係があまりに悪いため、日本の外交官たちは、中国政府が11月10~11日にアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を主催する際に安倍晋三首相と習氏との初の首脳会談を実現させようと、土壇場になってもなお懸命に努力していた。

 強く、国家主義的な指導者が両国を治めているため、アジアの2大大国は多くの問題を巡って角を突き合わせている。最も危険な対立の争点は、東シナ海に浮かぶ尖閣諸島だ。

初会談への期待と不安

 中国で反日的なレトリックが最近トーンダウンしていることも含め、会談が実現しそうな兆しは現れていた。一部の専門家は、習氏は、安倍氏と会うのを拒むことで、APEC首脳会議――中国で今年最大の目玉となる国際的イベント――に味噌をつけたくはないと言う。

 悲観的な向きは、会談は儀礼的な握手と大差ないものに終わるかもしれないと警告する。

日中首脳会談、APECにあわせ開催へ

中国・北京で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の会場前で警備に当たる警察官)〔AFPBB News

 だが、一方では、両者は2年間の緊張状態の後で、相互の根深い相違の先を見ることができると期待する向きもある。この2年間で、日本は防衛費を増やし、中国の台頭に対抗するためにインドやオーストラリアと連携を強化してきた。

 「中国は自らを孤立させることで戦略的なミスを犯している」。安倍氏をよく知る日本の元外交官、宮家邦彦氏はこう話す。「我々は変貌しつつある。以前より集団的、多角的な同盟ネットワークを築く方向に傾いている。日米同盟では十分でないと思っている」