先週から韓国人観光客で賑わう国境の島、対馬について考えている。今回は対馬への旅をテーマにしたい。

 対馬へ行くにはいくつかのルートがある。航空機の発達したいまなら、福岡空港か長崎空港から飛行機に乗るのが最も速い。これなら東京からでも日帰りすら可能である。船で行く場合には博多港からフェリーあるいは「ジェットフォイル」と呼ばれる米ボーイングが開発した高速の水中翼船に乗る。

対馬へ行くなら釜山経由がお得

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 ジェットホイルは航空機のエンジンに似た構造のガスタービンを動力源とし、海中から取り込んだ海水を噴射させて時速約90キロで進む。現在はボーイングのライセンスを受けて日本の川崎重工業が建造している。

 座席も航空機のように作られていて、高速航行するのでシートベルトは必ず締めなければならない。

 旅の雰囲気は、じゅうたんが敷かれただけの大広間に雑魚寝して、波に翻弄される船の揺れを感じながらのフェリーの旅とは大違い。

 ずいぶんと速く快適な旅になったと思う。しかし、対馬もやはり離島である。行くには時間とそれなりのコストがかかってしまう。

 東京から対馬に向う場合、最も速い飛行機を利用すると、前日まで購入可能な割引運賃を使っても、往復で7万円以上かかる。

 博多港からジェットフォイルを利用して費用を抑えようとしても、空港から港までの交通費を加えるとせいぜい2000~3000円安くなるかどうか。

 これだと、IATA(国際航空運送協会)の正規割引運賃でタイのバンコクやマレーシアのクアラルンプール、シンガポールなどに行くのとあまり変わらない。

 場合によってはアジアより高いかもしれない。日本国内にあるけれども、費用的には対馬は東南アジアの国々くらい“遠い”島と言える。

 しかし、実はもっと安く東京から対馬に行けるルートが別にある。韓国の釜山を経由する方法である。

 何しろ、昨年は約15万人、今年は20万人の韓国人観光客が人口3万4000人ほどの島を訪れている。この数を人口に対する比率だけで単純に日本全体に当てはめたら、日本に年間7600万人もの外国人観光客が来ている勘定になる。