11月12日、三中全会(中共第十八届中央委员会第三次全体会议)が閉幕し、「改革の全面的深化における若干の重大な問題に関する中共中央の決定(中共中央关于全面深化改革若干重大问题的决定)」が審議・採択された。

 今回はこの重要会議の決定を、筆者の独断と偏見に基づき、読者の皆さんと共に検証していきたい。

盛り沢山の空虚な改革

中国・習主席「中華民族の偉大な復興を」、全人代閉幕

習近平国家主席〔AFPBB News

 12日午後、新華社通信が三中全会の公报(コミュニケ)記事を配信している。分量的には全体で5100字程度だから決して長いものではない。生来怠け者ではあるが、せめて重要文書ぐらいは原語で読むと決めている筆者としては、今回も真面目にコミュニケ全文を読んでみた。

 「中国語はどうも」という向きには全文の日本語訳もあるので、適宜参照頂きたい。中国語にせよ、日本語にせよ、三中全会コミュニケの要旨は以下の通りである。ただし、日本語については、正確を期すため、人民網日本版関連記事を適宜参照させてもらった。

●【総体目標】
改革の全面的深化の総体目標は、中国の特色ある社会主義制度を整備し、発展させること。

●【2020年までに、改革において決定的な成果を上げる】
2020年までに系統的で整備された、科学的で規範的な、効果的な運用が可能な制度体系を形成する。

●【独立的で公正な裁判権と検察権の行使を確保】
独立的で公正な裁判権と検察権の行使、司法権の実施メカニズムの整備、人権司法保障制度の充実。

●【改革深化指導グループを設置】
中央は、全面的改革深化指導グループを設置し、改革の総体設計と統一調整などを担当させる。

●【経済体制改革は改革の全面的深化の重点】
核心は、政府と市場との関係を適切に処理し、資源配置における決定的作用を市場に果たさせること。

●【国家安全委員会を設立】
国家安全委員会を設立し、国家安全体制と国家安全戦略を改善し、国家の安全を確保する。
●【共有制経済と非共有制経済】
共有制経済と非共有制経済はいずれも社会主義市場経済の重要な構成部分である。