69年前の1944年10月23日から25日にかけて、レイテ島をめぐって日本海軍とアメリカ海軍(オーストラリア海軍との連合軍)が激突した(レイテ沖海戦)。

 日本海軍は航空母艦4隻、戦艦9隻、重巡洋艦14隻、軽巡洋艦6隻、駆逐艦35隻、航空機300機(艦載機+陸上基地機)を投入し、アメリカ海軍は航空母艦16隻、護衛航空母艦18隻、戦艦12隻、巡洋艦24隻、駆逐艦141隻、航空機1500機(艦載機)、その他魚雷艇、潜水艦、補給艦等多数を投入して、3日間にわたって4カ所で海上航空決戦が展開された。

 レイテ沖海戦の結果、アメリカ海軍は空母1隻、護衛空母2隻、駆逐艦2隻が撃沈され、200機の航空機を喪失した。一方、日本海軍は空母4隻、戦艦3隻、重巡洋艦6隻、軽巡洋艦1隻、駆逐艦4隻が撃沈され、ほとんどすべての航空機を失うとともに1万2500名の将兵が戦死した(大本営海軍部は「日本の大勝利」と発表)。

 日本海軍が撃破されたためアメリカ軍がレイテ島に上陸し、地上戦の後、レイテ島を占領してフィリピン“奪還”の第一歩となった。

 このような日米激戦が展開されたレイテ島をはじめとするフィリピンの地で、69年後の現在、アメリカ軍と日本の自衛隊が同盟軍として肩を並べて災害救援活動を展開中である。

 アメリカ軍救援部隊は、原子力空母「ジョージ・ワシントン」を旗艦とするアメリカ海軍部隊とアメリカ海兵隊が中心である。日本からは、ヘリコプター空母「いせ」や輸送揚陸艦をはじめとする海上自衛隊艦艇や航空自衛隊機それに陸上自衛隊救援部隊が駆けつけている。

対中牽制だけでなく士気高揚を図る米軍

 そのアメリカ軍による救援活動だが、アメリカとフィリピンの間には大規模自然災害などに際しての相互救援協定が存在するため、アメリカ政府が米国国際開発庁(USAID)や軍隊などを派遣するのは協定上の責務ということになる。

 もちろん外交軍事戦略的には、日本を拠点にしているアメリカ海洋戦力(海軍、海兵隊、空軍)を救援活動に投入することにより、アメリカ軍にしか実施できないスピーディーな戦力投射能力を見せつけて、中国の侵略的な海洋戦略を牽制していることは誰の目にも明らかである。