復職前のオンライン「育休者フォーラム」には例年約500人が参加

 休み中は不安が多いため、スムーズな復帰支援を目的に復職前に「育休者フォーラム」を開催している。

 「育休者フォーラム」は、2007年からスタートさせ、2019年度までは全国4カ所(東京・名古屋・大阪・福岡)で開催してきた。2020年度はコロナ禍でWebでの開催にしたが、そのことでかえって今までは参加できなかった地域の社員も参加できるようになった。

 参加するのは希望者で、職場の上司や同僚と一緒に、復帰への不安を取り除き、受け入れる側の理解を深めることを狙う。

 2020年度は3部構成とし、動画での講義とオンラインでの対話形式で行った。まず、動画で配信した育休者向けの第1部は「女性の脳内構造」「考え方」などに関する講義。第2部は上司や同僚と、部下である育休者が一緒に参加し、動画を見た後でセッションをするスタイル。育休中の女性の考え方、どういう接し方をするかといった講義を聞き、その後、立場を入れ替えて具体的に会話をし、伝えたいことがどう伝わるかを試すワークショップとした。

 第3部はオンラインで育休中の当事者のみ参加可能としたが、こちらは互いにチャットで時短料理や便利グッズを紹介するなど楽しい雰囲気で進め、さらに今年から新しく、復職をして活躍している社員に実例を話してもらった。登壇者は「時短でも引け目に感じることはなく、キャリアアップを目指すなら、それをしっかりアピールすること」と話し、実際にご自身が時短勤務の中で昇格を果たしている。また、子供を預けられない状況なら思い切ってリモートワークではなく休んでしまった方がいいなど、社内のSNSグループで情報交換をしているなど参考になる話がたくさん出ていた。
 このフォーラムを担当する人事部人材開発グループ 佐々田実主査は、「Webでの開催は初めてでしたが、意外とスムーズにいきましたし、アンケート結果も非常に良かったのでオンラインでも意図するところは伝わると思いました。これまでのリアル開催では全国の社員が4カ所でも集まりきれませんでしたが、オンラインだと全国にいるメンバーに参加のチャンスができました」と語っている。

人事部人材開発グループの佐々田実主査