※本コンテンツは、2021年3月24日に開催されたJBpress主催「第8回 DXフォーラム」Day2の特別講演「DX or Die」の内容を採録したものです。

SOMPOホールディングス株式会社
グループCDO 執行役常務
楢﨑 浩一氏

DXと介護・ヘルスケア事業への進出、5年前から事業転換に注力

 今日はSOMPOホールディングスが取り組むDXの考え方や現状についてお話しします。初めに、私の自己紹介とともに当社の事業概要をご説明します。

 私は2016年にSOMPOホールディングスに入社しました。元々は三菱商事で働いており、シリコンバレー駐在中にベンチャーの魅力にひかれて2000年に現地で転職。シリコンバレー在住中に5社のソフトウエアスタートアップの経営に携わっています。

 SOMPOホールディングスは、国内損保、海外保険、国内生保、介護・ヘルスケアの4つの事業からなる持ち株会社です。介護・ヘルスケア事業に進出したのは5年ほど前ですが、2社の買収を経て、既に国内有数の規模となっています。

 介護・ヘルスケア事業は同業他社ではあまり行っていない事業です。現状は売り上げや利益への寄与度も高くはありません。しかし、当社がこの分野に進出したのには明確な理由があります。その理由は、当社のコーポレートミッションである「安心・安全・健康のテーマパーク構築による社会的価値の創出」の実現に関連する事業だからです。

 保険会社が“テーマパーク”と言うと、イメージが湧かないかもしれません。一般的にテーマパークと言えば、楽しい場所を想像するでしょう。ポジティブなイメージです。まさにそのイメージ通りで、当社では事業を通してポジティブな価値を創出したいと考えています。

 もう少し具体的に言うと、保険は事故や災害が起こってしまったときに役に立つサービスです。この保険にとらわれず、「災害に備えたい」「住まいをよくしたい」「挑戦したい」「健康的な生活を送りたい」といったポジティブな思いの実現に貢献することが、当社のゴールだと考えています。介護・ヘルスケア事業への進出は、その実現に向けた一歩です。