山口フィナンシャルグループ 執行役員・企画統括本部長の古堂達也氏(撮影:榊美麗)

「成長したいのに、諦めざるを得ない」──人口減少と後継者不足に直面する地方で、こんな声が増えている。山口フィナンシャルグループは、「債権者」から「出資者」へと転換し、企業と同じ舟に乗る「同舟共命型ビジネスモデル」を打ち出した。国内初となる地方銀行のサーチファンド事業、自ら手を挙げた100名のエース人材、10年で累計1000億円の地域への経済的インパクト創出──。地域金融の未来を変える挑戦と戦略を、執行役員の古堂達也氏に聞いた。

本当に成長を諦めざるを得ないのか、地銀が直面した現実

──人口減少や事業承継問題などを背景に、地方銀行を取り巻く環境は大きく変化しています。

古堂達也氏(以下、敬称略) まさに今、地方銀行の役割そのものが問われています。私が事業承継の現場で繰り返し目の当たりにしてきたのは、地域の経営者が「本当は成長したいのに、それを諦めざるを得ない」状況に追い込まれている現実です。

 これまでも融資や経営再生支援を通じて企業を支えてきましたが、人口減少や後継者不足が進む中、融資中心の支援だけでは、企業の挑戦を後押しし切れない場面が増えていました。このまま従来の銀行モデルを続けていては、地域経済の活力そのものが衰えてしまう。そうした危機感が、「戦略を変えなければならない」という強い問題意識につながっていきました。