ネスレのビジネスを加速させるCo-Pilotの役割

CEO直轄でビジネスを動かす、財務管理部門とその未来

JBpress/2021.3.23

いいね ツイートする
ネスレ日本株式会社 執行役員 財務管理本部 営業管理統括部 部長 中岡 誠 氏

※本コンテンツは、2021年2月25日に開催された「ファイナンスイノベーション2021」の特別講演「ネスレのCo-pilotの役割」の内容を採録したものです。
講演者の役職等も同時点のものです。

ネスレ日本株式会社
執行役員 財務管理本部
営業管理統括部長
中岡 誠 氏

Catalyst(カタリスト)の役割を担う財務管理部門

 ネスレの財務管理(ファイナンス&コントロール)部門は、ネスレグループのパフォーマンスを加速させる「触媒=Catalyst(カタリスト)」であると位置づけられています。
    
 我々が指針としているオペレーションに対しての考え方や、何を成長の軸としていくのか、我々の優位性とは何かなどについて、サポートしたりドライブさせたりレバレッジさせていく。それらが財務管理部門の大きな役割です。

 その財務管理部門の組織をどのような形で作っていくのか。その根底になる考え方を、「ハウスオブファイナンス」という形でまとめて、組織の中でDNAのように浸透させています。

財務管理部門の組織づくりの根底になる考え方「ハウスオブファイナンス」財務管理部門の組織づくりの根底になる考え方「ハウスオブファイナンス」

 一番土台となるのは「People and Capability(人材とその能力)」です。ここが非常に大事だということは、どの会社にも共通している考え方かと思います。その上に「Governance & Stewardship」が2つ目の土台としてあり、オペレーションという意味で「Business Excellence」が3つ目の土台としてあります。

 その上にある4つの柱が組織の作り方をまとめたものです。左の柱から、「Co-Pilot(コ・パイロット) /Business Partners(ビジネスパートナーズ)」が一つの柱になっています。

 2番目は「Specialist Services(スペシャリストサービス)」。これは、非常にファイナンスの中でも専門性が高いと考えられている税務、ペンション(年金運用)、リスクマネジメント、トレジャリー(財務管理)、内部監査などを一つの柱として考えているものです。

 3番目は「Scalable Business Services(スケーラブルビジネスサービス)」。これは、いわゆるトラディショナルな会計の役割になります。これらについては、単純に「こういうものがありますよ」ではなく、「スケーラブル」とあるように、シェアードサービス化を進めて、それを規模の経済を働かせるような成り立ちに作り替えていく。そのことで「より価値を創造する業務にリソースをシフトしていこう」といった考え方が根底にあります。この柱の具体例としては、帳簿をつけたりするアカウンティングオペレーション(経理業務)や、売掛金・買掛金の管理、固定資産の管理などがあります。

 右端の柱は「Decision Support Services(ディシジョンサポートサービス)」です。意思決定に必要な、管理会計の元になるレポートの作成や分析などが主な業務です。原価計算やコスティング、ファイナンシャルリポーティング、マネジメントリポーティング、ビジネスプランといった役割で成り立っています。

 この左端と右端にある「コ・パイロット」と「ディシジョンサポートサービス」は、非常に密に連携して仕事をするべきであると捉えています。それぞれがそれぞれのキャリアパスの軸になると考えています。