SBIレオスひふみ 代表取締役 会長兼社長 グループCEO 藤野 英人氏写真提供:共同通信社
2023年から有価証券報告書で人的資本の開示が義務化され、女性管理職比率などの公表が必須に。2026年度からは人材戦略と経営戦略を結びつけた開示が求められ、人的資本経営が企業存続の鍵となっている。有力投資家や専門家は、企業価値を高めるための「人的資本」の在り方についてどう考えているのか。
『有力投資家が明かす 「株価」と「採用」に効く人的資本経営』(市川祐子著/日経BP)から一部を抜粋・再編集。SBIレオスひふみ藤野英人氏が語る、投資先を決める際、企業の「人」に対する姿勢を見抜くポイントとは?
・社名・肩書は『有力投資家が明かす「株価」と「採用」に効く人的資本経営』掲載のものです
・対談で言及した企業は、あくまでも人的資本開示情報の参考事例として述べられたものであり、個別銘柄を推奨するものではありません
人的投資ができない会社は淘汰されます
SBIレオスひふみ
代表取締役 会長兼社長 グループCEO 藤野 英人 氏
『有力投資家が明かす 「株価」と「採用」に効く人的資本経営』(日経BP)
■ 企業訪問やホームページで必ず現場の社員を見る
市川: 藤野さんは、企業の「人」に対する姿勢をどのようなところでチェックしていますか。
藤野: 定量的なものではないですが、企業訪問の際には企業文化やそこで働く従業員の雰囲気を見ます。従業員が明るく、イキイキとしている企業は業績もいい。逆に、廊下ですれ違った従業員の方が、来客である僕に会釈もせず、プイッと顔を背けられると非常にがっかりします。「個人の問題じゃないの」と言われそうですが、これは「コックローチの法則」と言ってですね…。
市川: 「1匹現れると実は100匹いるかも」という。
藤野: 企業のホームページにも、「人への投資」の姿勢が現れると思います。現役社員の顔がまったく出てこないのは僕には考えられないですね。外国人ビジネスマンが握手し合っているイメージ写真だけだと、評価は落ちます。
市川: 著作権フリーのイメージ写真で構成したように見えるサイト、たまにありますね。IR資料だけでなく、採用ページに掲載されている現役社員のインタビューなどもよく見ているとか。
藤野: 写真があると、多様性もひと目で分かります。たとえば、僕も在籍していたゴールドマン・サックスグループ(以下、ゴールドマン)のアニュアルレポートには従業員の写真がたくさん載っていますが、多様性豊かな職場であることが伝わってきます。






