iPhone 15 ProとMate 60 Pro(写真:ロイター/アフロ)

 ロイター通信によると、中国・華為技術(ファーウェイ、Huawei)が先ごろ発売したスマートフォン「Mate 60 Pro」には強い需要がみられるという。

iPhone 15発売後もHuawei端末好調

 スマホ市場が減速するなか、ファーウェイは6週間で160万台のMate 60 Proを販売した。うち40万台以上は、過去2週間で販売した。米アップルが最新スマホ「iPhone 15」を発売したのは23年9月22日だったので、ファーウェイの同端末はiPhone 15の影響を受けずに売れ続けていることになる。

 香港の調査会社カウンターポイントリサーチによると、iPhone 15は発売後17日間の販売台数が、前モデル「iPhone 14」の同じ期間の販売台数に比べ4.5%減少した。一方、中国での高価格端末への需要増の恩恵を受け、ファーウェイの新端末は順調に伸びているという。

 カウンターポイントのシニアアナリスト、イバン・ラム氏は、「この端末を求める消費者の需要は高い。入荷後にすぐに在庫がなくなるため、常に入手できない状態だ」と述べている。

米政府の禁輸措置下で独自半導体製造

 19年、当時のトランプ米政権はファーウェイを安全保障上の脅威とし、同社に対する禁輸措置を講じた。ファーウェイは半導体など重要部品の供給制約を受けてスマホの生産が減少。「HONOR(オナー)」ブランドで展開していた低価格スマホ事業の売却も余儀なくされた経緯がある。

 英フィナンシャル・タイムズによれば、ファーウェイの中国におけるスマホシェアは20年半ばに29%あったが、2年後にわずか7%に低下。これに対し、アップルのシェアは9%から17%に上昇した。中国の高価格スマホ市場におけるアップルのシェアは22年までの3年間で51%から72%に上昇した。