新製品発表会 で展示された iPhone 15(写真:AP/アフロ)

 米アップルが米国時間9月12日に発表した新型スマートフォン「iPhone 15」シリーズは、中国では大きな盛り上がりを見せなかったと、米ウォール・ストリート・ジャーナルが報じている

中国SNSでトレンド入りならず

 一部の熱心なアップルファンは夜遅い時間まで起き、米国から発信される新型iPhoneの発表を見守った。しかし月間ユーザー数が5億7000万人に上るといわれる中国SNS(交流サイト)、微博(ウェイボ)では、iPhone 15はトレンドトピックに入らなかったという。

 アップルは今回、画面サイズが6.1インチの「iPhone 15」、6.7インチの「15 Plus」と、それぞれの上位機種にあたる「15 Pro」「15 Pro Max」を発表した。充電端子を「USBタイプC」に全面移行したほか、シリーズ4機種すべてに4800万画素のカメラ機能を搭載した。加えて、上位機種にはチタン製の筐体(きょうたい)を採用した。

 米国ではいずれも前モデルから価格を据え置いた(日本では5000~1万円値上げ)。米CNBCによれば、中国でも、iPhone 15、 同15 Plus、同15 Pro Maxの最低価格は前モデルと同じだ。だが、iPhone 15シリーズは中国の消費者の間でいつものような大きな話題になることはなかったという。

ファーウェイ、米国規制回避か

 その背景には、米政府の禁輸措置によって、アップルにシェアを奪われていた中国・華為技術(ファーウェイ)が回復してきたことがあるとみられている。

 2019年、当時のトランプ米政権はファーウェイを安全保障上の脅威とし、同社に対する禁輸措置を講じた。ファーウェイは半導体など重要部品の供給制約を受けてスマホの生産が減少し、「HONOR(オナー)」ブランドで展開していた低価格スマホ事業の売却も余儀なくされた。