(写真:ZUMA Press/アフロ)

 米政府は2024年4月15日、韓国サムスン電子に対し、最大64億ドル(約9900億円)の補助金を支給すると発表した。サムスン電子が米南部テキサス州に建設予定の工場などに向けるもので、半導体のサプライチェーン(供給網)を米国に呼び戻すことを目的としたバイデン政権の取り組みの一環だ。

サムスン、米への投資450億ドルに

 これに伴いサムスン電子はテキサス州テイラーへの投資を約450億ドル(約6兆9500億円)に増額する。同地域で2つ目の半導体工場や先端パッケージング施設、研究開発施設を建設する計画だ。

 同社は21年11月に米半導体工場の建設地として、テキサス州テイラーを選んだと発表。同工場の建設は22年に着工しており、24年内の量産開始を目指している。今回明らかにした総投資額は、このときの規模の2倍以上になる。

サムスンの強みとは

 サムスン電子は、(1)売り上げベースで世界最大のメモリーメーカーであり、(2)ファウンドリー(受託生産)事業においても主要なプレイヤーで、米インテルや台湾積体電路製造(TSMC)と並ぶ先端ロジック半導体の生産能力を持つ企業である。最近は、(3)AI(人工知能)の普及に伴って需要が急増するHBM(広帯域メモリー)や先端パッケージング技術にも力を注いでいる。