国家機密への認識が甘すぎたトランプ前大統領(写真は2019年6月30日に板門店で行われた米朝首脳会談、写真:ロイター/アフロ)

これだけでもスパイ法違反で禁固10年

 米連邦・州の検察当局から重罪で起訴されているドナルド・トランプ第45代大統領(刑事被告人)は、2024年大統領選キャンペーンを続けている。

 それどころか、自らが陰で操るトランプ派の下院MAGA(Make America Great Again=偉大な米国を再び)議員たちの「反乱」でカオス状態に陥っている下院の次期議長に「子分」の過激派ジム・ジョーダン下院司法委員長を押し込もうと必死だ。

(選挙は10月11日に予定されているが、ジョーダン氏が当選する公算は疑問視されている)

 トランプ氏は国家機密文書隠匿だけでも「諜報活動取締法」違反を含む案件37件で起訴されており、有罪判決を受ければ禁固10年の懲役刑を下される公算大だ。

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 これに追い討ちをかける特別検察官の捜査状況の一端をABCテレビニュースがすっぱ抜いた。

 米連邦捜査局(FBI)がすでにトランプ氏の私邸マール・ア・ラーゴから押収した国家機密文書の中に、「米国の核兵器」「第三国の核兵器」に関する機密情報が含まれていることは既報だ。

 だが、その捜査段階でトランプ氏はその内容をオーストラリアの企業家に口頭で漏らしていた「新事実」を突き止め、すでにこの人物を事情聴取、それが裏付けられた、と言うのだ。

 同盟国の民間人とはいえ、国家機密情報を漏らすのは利敵スパイ行為だ。しかもこの人物はFBIに対し「その情報を約45人に教えた」と宣誓証言していたという。

「45人の口コミを通して中国やロシアに流れた可能性は十分すぎるほどある」(米政府関係筋)。

 ABCテレビニュースの取材班が報じた内容は以下の通りだ。