善福寺川(筆者撮影)

 東京都内を流れる小さな川沿いを、流域住民に呼びかけられて一緒に歩くことになった。善福寺(ぜんぷくじ)川。杉並区の善福寺池を源流に住宅街を流れ、神田川に合流する。神田川は善福寺川と石神井(しゃくじい)川と合わさり隅田川に合流、東京湾まで流れ下る。

 隅田川はかつての荒川で、今、「荒川」と呼ばれる川は、徳川家康の命で、江戸を守るために開削された放水路だ。元々の荒川は、利根川と最下流で入りくむ暴れ川だった。

 現代、荒川の本流は国土交通省が管理者で、そこに流れ込む神田川から上流は、東京都が管理する。

 昔も今も、川という自然との闘いと街づくりは続いている。違うのは主役の「殿」ではなく、「住民参加」が法律によって位置付けられていることだ。

生き物に優しくない工事

 今回、見に行ったのは、東京都第三建設事務所(以後、第三建設事務所)が善福寺川で進める河川改修の様子だ。

 善福寺川は源流部から神田川の合流地点まで全長10.5キロメートル。全長にわたって堤防はない。川を掘り下げて治水を行っている。

 これを1時間あたり50mmの雨が降っても溢れないようにすると、住民意見を聴いた後に2023年5月に東京都が決定した神田川流域河川整備計画の目標に書かれている。

 しかし、その工法は、斜めの護岸をほぼ垂直に、そして川底をより深く掘り下げて、河道を広げるという見た目にも動物にも優しくないものだった。

「これではカモの休む場所もなくなってしまう。浸水被害が出ないようにすることは大事だが、もう少し違うやり方はないのか」

 善福寺川緑地公園の緑を守る活動をおこなってきた「緑の会」の丸山ゑみさんたちは、そんな疑問を持った。しかし、丸山さんたちはこれまで川の問題に取り組んだことがない。「何ができるかを考えましょう」と呼びかけ合って、川沿いを歩いてみることにしたのだ。