中野サンプラザのこの雄姿もあと数年で見納めなのか(筆者撮影)

(尾藤 克之:コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員)

 筆者は、中野区で生まれ育った区民として中野駅周辺の再開発計画、特にサンプラザの存続について関心を持っていました。そこで2020年1月6日付にて、中野区議会全会派に「中野サンプラザ解体に関する公開質問状」を送付し全会派から回答を得ました。

 その回答を元に前回までの記事では、一昨年の区長選挙の際の「1万人アリーナ計画の全面的見直し」を選挙公報などで訴えたこと。「サンプラザ解体の是非」「新アリーナのサイズ感」「都市計画変更の可能性」について経過を追ってきました。今回は、最終稿として、「サンプラザ跡地を民間に売り払う理由」について分析し総括したいと思います。

サンプラザ跡地は売るべきなのか

<質問5>サンプラザ跡地も民間に売り払う理由についてご意見が伺えればと思います。なぜ売るのではなく貸す(定期借地)ではダメなのでしょうか? 一度手放してしまえば転売されたりして価値が下がる可能性があります。この件についてご意見が伺えればと思います。

 以下に、6会派の回答を修正せずに紹介します。各会派の見解そのものを紹介したほうが正しく理解できるためです。「育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会」のみ、直接面接取材なので、筆者が感じたことを記しています。

「自由民主党議員団」 取りまとめは、加藤たくま区議。
 質問1で回答したとおり、当初から中野サンプラザはまちづくりの種地として取得したものであり、定期借地をする意向はそもそもありません。都市計画と少なからずの権利を有することで無秩序な再開発はできないようにする方針であります。定期借地の条件で、現在サンプラザがもつコンベンション機能、アリーナなどを付与した場合、民間事業者に対して、中野区はある程度、経営に口をはさむ立場になりますが、その場合、民間企業より様々な点で便宜を求められることは必至です。
 自治体がプロ野球チームを引き留めきれなかった事例を見れば明らかで、金銭的な要求が出てきた際には税金の使い方には限界があります。現在の中野区が そのような高度な経営感覚を持ち合わせていないと思われます。民間活力を十分に使うことこそが中野区の未来に資するものと考えます。ただし、定期借地で行う場合の予算的な裏付けが明確になり、その他問題も解決する手立てがあれば、必ずしも否定するものではありません。あくまで目的は中野駅からの交通の利便性を最大限に活かした再開発を行い、中野区全体の付加価値を高めていくことにあります。