対クロアチア戦。PK戦の末、敗れてサポーターの前で肩を落とすサムライたち(筆者撮影)

(国際ジャーナリスト・木村正人)

[ドーハ(カタール)発]サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会で5日、ノックアウトステージ1回戦が行われ、日本代表は初のベスト8進出をかけ前回準優勝のクロアチアと対戦した。1-1のまま延長戦に突入、PK戦の末、日本代表はまたしてもベスト16で涙を飲んだ。7大会連続7度目のW杯出場となる日本代表は2002、10、18年大会でグループリーグを突破したが、いずれもノックアウトステージ1回戦で敗れている。

「ノックアウトステージ進出を決めた後、日本代表の主将、吉田麻也選手にラインで『おめでとう。日本国民のためにありがとう』と伝えた時、『さらに上に行きたい。真のレジェンドになる』と話していました。クロアチアに負けてもここまで来たんだからというようなところは少しも感じられませんでした」

「DFの冨安健洋選手も次も頑張るつもりですと話していました」

――ロンドンにある7歳から成人のチームまで230人がプレーする欧州最大の日系サッカークラブ「フットボールサムライアカデミー」のマネージング・ディレクター、宮原継享(ひでゆき)さん(42)はこう語る。

 実は日本代表の吉田、MF南野拓実、冨安の3選手はそれぞれ同アカデミーの校長、副校長、教頭を務める。

ロンドンの「フットボールサムライアカデミー」で子供たちと交流する吉田選手(同アカデミーのインスタグラムから)

英国のクラブに所属する日本人選手が子供と触れ合うために駆け付ける

 「冨安選手は同じアーセナルに所属する岩渕真奈やマンチェスター・シティの長谷川唯、ウェストハムの清水梨紗のなでしこ3選手と一緒に子供たちとボールを蹴りに来てくれました。昨年のクリスマスパーティーにも冨安選手はプレゼントを持ってきてくれました。子供たちと触れ合って自分たちもリフレッシュできるとこれまでに4回ぐらい来てくれました」

チビっ子サムライとプレーを楽しむ冨安選手(同)

「冨安選手は6歳や7歳の子供たちに混じってニコニコ楽しそうにボールに蹴っています。ミニゲームをして普通にプレーしています。吉田選手もそれ以上にアカデミーに顔を出してくれます。みんな試合で疲れているとは思いますが、厳しいスケジュールの合間を縫って来てくれるんです。子供たちも大喜びです」