しかし、チタンアルミナイドは、溶けても流れにくく、型の隅々まで行き渡らせることが難しい。また、高温で型と化学反応を起こしてしまう。そのため、チタンアルミナイド製タービン翼のロストワックス法での製造は実用化されていない。

 最初にこの材料を採用したGEnxエンジン用のタービン翼では、流れにくいチタンアルミナイドでも型内に行き渡るように、シャープな部分のない鋳型で鋳造している。

 現状では、どうしても反応により型の成分がチタンアルミナイドに混じってしまうため、混じってしまった部分を削る必要もある。

 そのため実際の形状よりも大きく作ることになり、大きな余肉を機械加工で大きく削っていくことが必要になる。

 しかし、硬くて脆いチタンアルミナイドは、工作機械で削るのは難しい。非常に時間がかかるし、時間はコストに化ける。

 そこで3Dプリンターの登場である。

 3Dプリンターではチタンアルミナイドの粉の中で、チタンアルミナイドを溶かすため、型と化学反応しない。溶かしたチタンアルミナイドを型に行き渡らせる必要もない。

 しかも、現在GEnxの生産に用いられている大きめに作る鋳造法よりタービン翼に近い形状に作ることができる。その結果、特にコストが高い仕上げの機械加工も少なくできる。

 特殊な素材を使用したがゆえに発生した特殊事情が、3DプリンターでGEがタービン翼を製造した真相と推察される。

 仮に、ロストワックス法でのチタンアルミナイドの精密鋳造が可能になれば、3Dプリンターよりも安く鋳造ができるはずである。仕上げ加工の必要な量は3Dプリンターを用いるよりも減る。