そうなれば、チタンアルミナイド製タービンブレードの製法も、3Dプリンターからロストワックス法に置き換わる可能性もある。

 また、チタンアルミナイドよりも楽に機械加工できる耐熱合金製のタービン翼の製造には、3Dプリンターを用いることは、ないのではないかと思われる。決して、3Dプリンターがタービン翼の製造それ自体に向いているわけではない。

3Dプリンターは個別検討で採否が決まる

3Dプリンターで製造されたチタンアルミナイド製のタービン翼 表面がざらざらしているが、ここから仕上加工を行う。

 3Dプリンターは、品質や性能の要求が厳しいジェットエンジンの部品を、量産するまでに成長した。

 しかし、3Dプリンターは積層に時間がかかり、大きくなればなるほど不利、中身が詰まれば詰まるほど不利、製造数が多くなればなるほど不利という弱点は変わらない。

 GEが3Dプリンターでジェットエンジン部品を作り始めたことは、世の中のすべてのものづくりが3Dプリンターに置き換わる序章ではない。3Dプリンターの登場は、選択肢が一つ増えたに過ぎず。ものづくり全体の革命ではない。

 ジェットエンジンは、精密で複雑な機能部品が多く、中に燃料、油圧油などの流体が流れるため、空洞のある部品が多い。さらにこれらの部品は高価である。

 3Dプリンターの得意なものが多く、不利が自動車部品ほど顕在化しない。ある意味、3Dプリンター向きの工業製品と言えるのではないかと思う。それでも、3Dプリンターが強みを発揮できる部品は限られる。

 今後、3Dプリンターを有益に使っていくためには、GEのジェットエンジン部品生産のような事例を冷静に分析し、どのような場合に3Dプリンターが強みを発揮するかを正確に理解していくことが必要である。