これでも、エンジン全体から見ると限られた部分であるが、LEAPが1種類19個であったものが、GE9Xでは5種類273個に拡大している。

 GEは金属3Dプリンターを製造するアーカム社を買収し、3Dプリンターで部品を製造するアヴィオ・アエロ社を傘下にするなど、3Dプリンターによるジェットエンジン部品の製造に力を入れているように見える。

3Dプリンターとジェットエンジン部品の相性

 3Dプリンターは、複雑で空間が多い形状の部品を作るのに向いているという性質を持つ。一方で、材料費が高く、製造に時間がかかるという性質上、安価な部品を大量に生産することには向かない。また、大型の部品の製作は苦手である。

 LEAPエンジンが搭載される機体は年間500機以上生産される。仮に、エンジン1個に100個の部品が使われると、500×100×2(左右2台使用)で、年間10万個の部品が必要である。

 この点は3Dプリンターに不向きな要素と言える。

 しかし、あまり量産向きではない機械加工を多用しなければ製造できないジェットエンジン部品も実は多いので、ここはクリアできそうだ。

 旅客機のエンジンは大きいように見えるが、部品は数センチ大のものも多い。ジェットエンジンが吸い込んだ空気は数十倍に圧縮されるため、高圧・高温の部分のガスの流路は小さい。

 コンプレッサーやタービンの翼の最も小さいものは、大型機のものでも手のひらに載るサイズである。また、細かい配管なども多い。3Dプリンター向きのサイズの部品も少なくないのである。

 コストはどうであろうか。

 ジェットエンジン部品は高価である。3Dプリンターでの製造が高価だったとしても、それ自体が致命的になりにくい。

 こうした点を考慮すると、ジェットエンジンでは比較的3Dプリンターの短所が顕在化しにくいと言える。