形状もサイズも3Dプリンターに向かない。低圧タービンは排気口に近く、ジェットエンジンの燃焼ガスは膨張しているため、流路の大きい部分に配置される。

 GE9Xで3Dプリンターを用いて製造する5段目と6段目のタービン翼は最も後ろにあるため、もっとも大きい。

 高圧タービンが数センチ大なのに対し、低圧タービンは数十センチ台である。3Dプリンターでは部品が大きければ大きいほど不利になる。

GE9Xの構造と3Dプリンター製タービン翼の使用可所 (出所:GE Websiteの画像に加筆) タービン翼の中では最も大きく、数も多い。

 3Dプリンターでは中空の部品の製造には有利であるが、低圧タービンは中身が詰まっている。低圧タービンを作る場合は、溶かさなければならない材料は多く、中空の部品を作るよりも時間がかかる。

 なお、タービン翼が中空であるから3Dプリンターが使われたと誤解する向きもあるが、中空のタービン翼は高圧タービンの中の特に高温な部分に用いられるものである。低圧タービンでは、中空のタービン翼を用いない。

 こうして見ると、GE9Xの3Dプリンター製タービン翼は3Dプリンターに向かないタイプの部品に見える。なぜ、3Dプリンターが採用されたのだろうか。

 実は、3Dプリンターが採用されたのには、特殊な要因があったようだ。GE9Xの5段目と6段目の低圧タービン翼は、チタンアルミナイドという新素材でできている。TiAlとかチタンアルミとも呼ばれる。