チタンアルミナイドは、日本語に直訳するとアルミニウム化チタンとなる。合金ではなく、チタンの原子とアルミニウムの原子が化合した金属間化合物であり、金属よりもセラミックスに近い機械的性質を持つ。

 ボーイング787に搭載されているGEnxから採用された。

 ジェットエンジンのタービン翼に使われてきたニッケル基耐熱合金の比重が8~9であるのに対し、比重は4.2である。

 チタンアルミナイドを用いれば、タービン翼の重量は半分ほどになる。タービン翼が軽くできれば、タービン翼を植えるタービンディスクも軽量化でき、タービンローター自体も軽量化できるため、軸受等の周辺の部品も軽量化できる。軽量化のメリットは大きい。

 5段目、6段目の低圧タービンの温度は、高圧タービンや低圧タービンの上流よりも下がる。耐熱合金より耐熱温度の下がるチタンアルミナイドには楽である。

 また、後部ではタービン翼のサイズが大きくなるため、比重の軽い材料の軽量化効果が大きい。よって、この部分にチタンアルミナイドが採用されたものと推測される。

 チタンアルミナイドのジェットエンジンへの採用は、革命であった。

 ジェットエンジンの誕生以来70年間、高温部に適する材料は重い耐熱合金しかなかったのだ。それが、耐熱合金の半分の密度の材料が登場したのだ。

 しかし、チタンアルミナイドはセラミックスに近い性質を持つため、硬くて脆い。これがこれまで採用を妨げてきた。また、この性質は製造を非常に難しくする。

 タービン翼は、ロストワックス法と呼ばれる方法で精密鋳造を行い、なるべくタービン翼の形状に近い形状を作り、最低限の機械加工で仕上げる。