原油市場のかく乱要因を生み出した米朝首脳会談

会談の“成功”でトランプ大統領の「米国第一」政策が先鋭化

2018.06.22(金) 藤 和彦
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53367
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イエメン政権部隊、主要港奪還へ攻撃開始 人道支援への影響に懸念

イエメン西部ホデイダの国際空港の南約9キロまで進軍した暫定政権側部隊(2018年6月13日撮影)。(c)AFP PHOTO / NABIL HASSAN〔AFPBB News

米WTI原油先物価格は1バレル=60ドル台半ばで推移しているが、OPEC総会(6月22日からオーストリア・ウィーンで開催)についての思惑から値動きが激しくなっている。

 ロシアのプーチン大統領とノヴァク・エネルギー相は6月17日、モスクワで行われたサッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会の開幕戦前に、サウジアラビアのムハンマド皇太子およびファリハ・エネルギー産業鉱物資源相と会談した。会談後、ノヴァク・エネルギー相は「ロシアとサウジアラビアは2018年第3四半期の原油生産量を日量150万バレル引き上げるようOPECに要請することを決定した」と述べた。増産の期間は今年(2018年)の第3四半期に限ったもので、9月に市場動向を見直した上で今後の方針を決定する。2017年から実施されている協調減産幅が日量180万バレルであるのに対し、増産幅が同150万バレルなのは、経済危機に陥っているベネズエラに加えアンゴラやメキシコが増産できないからだとされている。

 サウジアラビアとロシアは既に増産態勢に入っているようだ。サウジアラビアの5月の原油生産量は前月比16万バレル増の日量1003万バレルとなり、ロシアの6月の生産量は日量1110万バレルになる(協調減産合意は同1095万バレル)見込みである。

 しかし、協調減産の見直し提案に対して、イランは直ちに猛反発した。イランは5月から「OPEC総会で、米国の対イラン制裁に関する協議を行ってほしい」と要請してきたが、6月8日、OPEC事務局は「総会の議題は既に最終決定しており修正できない」と断った。一方、OPECの雄であるサウジアラビアが、イランの「敵」である米国からの増産要請に易々と応じようとしている態度に腸が煮えくりかえっているのだ。米国は「イランの原油輸出が減少した場合に補完できるよう増産してほしい」とOPECに要請していた。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

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