2018年の原油動向、鍵を握るのはサウジアラビア

戦後最大の石油危機勃発のリスクに備えよ

2017.12.22(金) 藤 和彦
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51917
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 12月14日、国際エネルギー機関(IEA)は来年上半期の国際石油市場について「供給が需要を上回る可能性がある」との見方を示した。「上半期は日量20万バレルの供給超過」(ただし「下半期は同20万バレルの需要超過となり、通年では均衡の取れた市場となる」としている)というIEAのシナリオにしたがえば、来年上期の原油価格は若干下落して1バレル=50~55ドルの範囲で推移するのではないだろうか。

 だが筆者は、来年上期の原油価格はさらに2つの要因を加味して見通すべきだと考えている。

 1つ目は、実質的にデフォルト状態にあるベネズエラである。同国の原油生産量はじりじりと減少しており、来年上期に大幅減産という事態を招けば、原油価格は1バレル=60ドル超えの可能性がある。

 2つ目は中国の原油輸入量の減少である。

 中国の11月の原油輸入量は日量901万バレルと過去2番目の水準となったが、10月は同730万バレルだった。下期全体で見てみると7月・8月と日量800万バレル台で低迷した後、9月には同約900万バレルになるなど乱高下の状態である。乱高下を招く要因となっているのが「茶壺」と呼ばれる民間製油所の存在だ。茶壺は相変わらず原油輸入に意欲的だが、その暴走ぶりを抑えるために、政府は茶壺に対する輸入割当を制限し始めている。数カ月おきに制限が解かれて輸入許可が出ると茶壺が一斉に買い付けに走るため、原油輸入量の増減が激しくなっているようだ。来年から茶壺に対する原油輸入割当が大幅増加となることから、中国の原油輸入量は堅調な伸びが期待できるとの見方がある。しかし、はたしてそうだろうか。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

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