OPEC総会よりも心配なサウジのメルトダウン

絵空事ではない原油供給ストップ、日本の備えは大丈夫か

2017.11.24(金) 藤 和彦
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51682
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減産期間延長でも原油価格は上昇しない?

 ただし、減産期間の延長が決定されても原油価格は上昇しないだろう。新鮮味がないことに加え、米国のシェールオイルが増産基調にあることから、原油価格はむしろ下落する可能性が高い。

 前週末の米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は増減はなかった(738基)が、過半数のシェール企業が「売りヘッジ」により来年の原油価格を1バレル=約50ドルで確定していることから、シェールオイルの生産が今後も増加する見込みである。

 需要サイドを見てみても好材料は乏しい。OPECは11月9日、「インドの原油需要量が2040年までに世界最大になる」との見通しを出したが、インドの足元の情勢は芳しくない。原油処理能力にボトルネックが生じ、インド企業のデフォルトリスクが過去最大になる(11月17日付NNA)などの悪材料が重なっており、当面の需要は弱含みであろう。

 今年世界最大の原油輸入国となる可能性が高い中国も、10月の原油輸入量が日量約730万バレルと激減している(昨年の原油輸入量の日量平均約840万バレル)。国内の原油精製能力の過剰状態はますます深刻になっており、予断を許さない状態となっている。

 国際エネルギー機関(IEA)も11月4日に発表した月報で「来年第1四半期に需給バランスが再び悪化する」との見方を示している。

にわかに勃発したサウジアラビアの政変

 筆者は協調減産延長への期待から原油価格は1バレル=約50ドルの水準を保ち、これに地政学要因が加わって同55ドル超えの相場になっていると見ているが、今後は「地政学要因」がますます強まっていくのではないかと懸念している。

 その原因がサウジアラビアであることは言うまでもない。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

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