漁獲量が激減! 大阪湾のアナゴの隆盛はどこに?

ウナギと比べられてきた魚の過去・未来(前篇)

2017.07.14(Fri) 漆原 次郎
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アナゴの蒲焼き。ほかにも寿司、天ぷら、アナゴ飯、八幡巻きなどと、アナゴはさまざまな料理として食べられてきた。

 人間には、似ているもの同士を比べる性がある。「こっちはこうだ。それに比べてあっちは」と。

 食材の中では、「アナゴ」ほど「それに比べて」と語られる魚もないだろう。比べられるのはもちろんウナギ。分類的にはどちらもウナギ目に属し、体型も特徴的な上に酷似している。比べないほうがおかしいくらいだ。

 ウナギの需要は「土用丑の日」の7月に一気に高まる。一方、アナゴについても、築地市場の統計によると、7月は12月に次いで活アナゴの卸売取扱量が多くなる。

 私たちは「ウナギに比べてアナゴは」といった文脈でアナゴを語りがちだ。でも、アナゴを“主役”に捉えることはできる。日本人がどう接してきたかを知ることから、この食材の魅力を見いだせるかもしれない。

 というわけで、今回は「アナゴ」を主題にしたい。前篇では、日本人がアナゴにどう触れてきたかを追っていく。そして後篇では、現代のアナゴに向けられた視線を紹介したい。漁獲量が全国的に減る中、「伝統ある地元のアナゴ」を復活させるための取り組みが始まっている。

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1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。


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