深刻な悩み、どうしても太りたい人へのアドバイス

「太れない」「痩せられない」の科学(後篇)

2017.02.17(Fri) 漆原 次郎
筆者プロフィール&コラム概要
痩せていることに悩みを抱えている人も。では、どうすれば。

「太れない」「痩せられない」という課題に目を向け、栄養学の専門家に話を聞いている。応じてくれているのは東邦大学医療センター大森病院栄養治療センター部長の鷲澤尚宏氏。消化器外科医出身で、栄養学の知見も豊富だ。

前篇では、食べ方の他、体の機能が痩せ体質や太り体質に関わること、また、痩せなら痩せの「中身」が大切であることを聞いた。

 後篇では、とりわけ「太りたいのに」という悩みに対して向き合いたい。

 厚生労働省の2015年「国民健康・栄養調査」によると、BMI(ボディ・マス・インデックス、体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m))18.5未満の「痩せの者」は男性4.2%、女性11.1%。「肥満者」の男性29.5%、女性19.2%と比べれば、確かに「太りたい」と思っている痩せの人は少数派かもしれない。だが、ダイエットに光が当てられる陰で、こうした悩みを持つ人もいることだろう。

 そもそも痩せている人は太るべきなのか。また、太ろうとするときどんな心がけが大切か、鷲澤氏に聞くことにする。

実益あれば挑めばいい、ただし“軟着陸”を

――前篇では、痩せの要素として何が影響しているかが大切という話でした。必ずしも「痩せているから健康でない」とは言えないということでしたね。

鷲澤尚宏氏(以下、敬称略) ええ。たとえBMIが18.5未満の「痩せ」の人でも、体調が良くて、健康診断でも病気などが見つからなければ、太る必要はないと考えてよいと思います。

――それでも、「痩せているけれど、本当は太りたい」という人はいると思います。そういう人は、太るべきでしょうか。

鷲澤 自分の中で「太ることで実益を得られるに違いない」あるいは「きっと心が豊かになる」と感じているなら、太ることに挑めばよいのだと思います。たとえば、痩せているため貧弱に見られているのではないかとか、仕事上のイメージが悪いのではないかと悩んでいる方は、取り組めばよいと思います。

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1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。


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