例えば、一度目の経験で0.1の企業価値最大化経営の文化・ノウハウ・体制が社内に浸透・蓄積され、二度目の経験でも同様に0.1の浸透・蓄積がなされるとする。

 この場合、数学的に考えれば、1(対象企業が一度目の経験前に有していた文化・ノウハウ・体制)×1.1(一度目の経験で社内に浸透・蓄積される文化・ノウハウ・体制)=1.1。1.1×1.1(二度目の経験で社内に浸透・蓄積される文化・ノウハウ・体制)=1.21(二度目の経験後に対象企業に浸透・蓄積されている文化・ノウハウ・体制)となる。

 これが、一度目の経験、二度目の経験ともに、0.5の企業価値最大化経営の文化・ノウハウ・体制が社内に浸透・蓄積された場合、1×1.5=1.5、1.5×1.5=2.25となり、一度目の経験・二度目の経験ともに0.1の浸透・蓄積がなされた場合の1.85倍もの文化・ノウハウ・体制が社内に浸透・蓄積されることとなる。さらに経験回数を重ねればこの差は広がる一方だ。

 企業価値最大化経営の文化・ノウハウ・体制を適切に社内に浸透・蓄積していく仕組みや施策を企業価値最大化経営の一部に組み込むことは必要不可欠だ。

【よくある失敗2】
 CEOが自己満足し現時点の実力に相応しい・時代や世代を超えた企業価値最大化経営への飽くなき挑戦をし続けることを止める

 ここまで企業価値最大化を実現し続けるCEOの方法論と要諦について述べた。最後に、最もよくあり、企業価値最大化経営そのものを破壊しうる失敗「CEOが自己満足し現時点の実力に相応しい・時代や世代を超えた企業価値最大化経営に挑戦し続けることを止める」について述べる。

 CEOは企業価値最大化経営のキードライバーだ。従って、CEOが自己満足し挑戦し続けることを止めれば、対象企業の企業価値最大化経営が最盛期の勢いを取り戻すことは至難の業だろう。

 なお、年齢的・健康的問題で後世にバトンを継がざるを得ない状況であっても、CEOが自己満足し挑戦し続けることを止めているか否かが事業承継等の方向性を決める分水嶺となる点も申し添えておきたい。

<連載ラインアップ>
第1回 企業価値最大化経営のキードライバー、「CEO」と「M&A」が果たすべき役割とは?
■第2回 世界最古の企業・金剛組ほか、超・長期にわたり繁栄する組織の「3つの共通点」とは?(本稿)
■第3回 M&A後の企業価値最大化を目指す上で行うべき「3つの施策」と「失敗パターン」とは?(7月18日公開)
■第4回 時価総額100億円から1000億円を実現するための「事業ポートフォリオ」「組織」「リーダーシップ」戦略とは?(7月25日公開)
■第5回 創業100年企業の企業価値最大化の成否を握る、「次の100年ビジョン」とは?(8月1日公開)

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