岩田流ジョハリの窓とは
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 従来とは大きく異なる競争環境で組織が生き残るためには、周囲の変化のスピードを上回る速さで自ら変革を成し遂げられる「自走式」になる必要がある。そして、この自走式組織へと変化を促すために求められているのが、「共感型リーダー」だ。本連載では、元スターバックスコーヒージャパンCEOの岩田松雄氏による『共感型リーダー まわりが自然と動く、何歳からでも身につく思考法』(岩田松雄著/KADOKAWA)から、内容の一部を抜粋・再編集し、組織を自走させるためのリーダーシップについて紹介する。

 第7回は、元スターバックスコーヒージャパンCEOが実践する、リーダーとして必要な「自己認識方法」について解説する。

<連載ラインアップ>
第1回 血の気が多かった徳川家康が、なぜ260年もの太平の世を築けたのか?
第2回 危機的状況でも部下に厳しく言えない…上司が選択すべき最適解とは?
第3回 孫正義の傍らには宮内謙…なぜ成功する経営者には「相棒」がいるのか?
第4回 なぜ「人の良いおっちゃん」は、管理職として不合格なのか?
第5回 リーダーは前に出る? 一歩下がる? 元スターバックスコーヒージャパンCEOが悩んだ末に出した答えとは?
第6回 京セラ創業時に、若手に突き上げられた稲盛和夫が悟った「経営の意義」とは?
■第7回 元スターバックスコーヒージャパンCEOも実践する自己認識「ジョハリの窓」とは?(本稿)


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■岩田流ジョハリの窓(自己認識)

「リーダーになることは、自分自身になることに等しい。リーダーになることは、それほどに単純で、それほどにやっかいだ」

――ウォレン・ベニス

 私たちは子供時代から、「親や教師に自分を合わせる方法」を教えこまれてきました。そうではなくて、「本当の自分になること」(オーセンティック・リーダーシップ)を学ばなければなりません。

 最近、リーダーにとって自己認識(セルフ・アウェアネス)力の必要性が強く叫ばれています。自分の価値観などを深く内省することが大切です。

 自分自身を知る方法として、下の図をご覧ください。

 コミュニケーション学や心理学で頻繁に用いられるマトリックスの「ジョハリの窓」に、私なりに補足を加えたものです。この図には4つの窓があります。

第1の窓・・・開放された窓(自分も、他人も、知っている自分)

第2の窓・・・隠された窓自分だけが知っていて、他人は知らない自分)

第3の窓・・・盲点の窓(自分は知らない、他人だけが知っている自分)

第4の窓・・・未知の窓(自分も、他人も、知らない自分)

 私は40年以上前に日産の新入社員研修で習ったこの「ジョハリの窓」が、とても印象に残っています。この図全体が自分自身を表しています。「自分とは一体何か」を知るためのヒントを与えてくれます。

 よく「自分探しの旅」などと言われていますが、旅をしても自分は見つかりません。この「ジョハリの窓」こそが、本当の自分を理解するヒントになります。

 結局自分探しの旅というのは、この第1の窓を広げていくことなのです。