富士通 執行役員EVP CHROの平松浩樹氏(撮影:宮崎訓幸)

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2019年に新たなパーパスを掲げるとともに人事戦略を刷新

平松 浩樹 /富士通 執行役員EVP CHRO

1989年富士通入社後、主に営業部門の人事を担当。プロダクト事業推進本部勤労部担当部長、ビジネスマネジメント本部セールス&マーケティング人事部長などを経て、2021年執行役員常務CHRO、2022年4月から現職。

「いつかはジョブ型人材マネジメントにシフトするべきだという前提で5年ほど前から議論してきました」と富士通の執行役員EVP CHRO(最高人事責任者)の平松浩樹氏は語る。グローバルにICT事業を展開してきた同社にとって、ジョブ型への移行を検討した背景には大きく2つの理由があった。

 1つはジョブ型人材マネジメントがグローバルにおける標準になっていたからだ。日本だけがその枠組みから外れていることで、チームでプロジェクトを遂行したり、その結果を評価したりする上での足枷になっていた。

 もう1つがICTという競争の厳しい環境での人材獲得合戦への対応だ。「採用条件が異なるために必要な人材が採用しづらかったり、逆に若手人材がジョブ型人材マネジメントに魅力を感じて他社に転職したりすることもありました」と平松氏は振り返る。

 転機は2019年6月。時田隆仁氏が社長に就任し、新たなパーパスを掲げ企業理念も刷新、ICT企業からDX企業へと企業変革に乗り出した。時田氏から平松氏に対しては「人事にも変革に貢献してほしい」という要請があり、ジョブベースの人材マネジメントの考え方を導入しつつ、人事戦略の刷新に乗り出すことになった。