DXの推進や人材獲得、国際競争力の強化などが課題となっている日本企業。その中で法務部門の役割も大きく変化している。国内外50以上の国と地域を拠点に12万4000人の従業員を擁する富士通の法務部門は、攻守両面でビジネスをサポートすべくDXを進めてきた。生成AIなど先端テクノロジーを活用したその取り組みについて、執行役員EVP、ゼネラルカウンセルである水口恭子氏に聞いた。
「守り」と「攻め」の両面でビジネスを支える富士通法務部門
――グローバル全体で約570人という体制の富士通法務部門ですが、どのような役割・ミッションを担っているのでしょうか。
水口恭子氏(以下、敬称略) 当社は2021年に「Fujitsu Uvance」を発表し、社会課題を起点としてクロスインダストリー(ビジネスにおける異業種連携)で、お客さまやパートナーの成長に貢献するデジタルサービスを提供することを打ち出しました。法務部門のミッションは、高い品質のリーガルサービスでこのビジネスに貢献することだと考えています。
そのために、リスクマネジメントといった「守り」はもちろん、スピーディーにビジネスを後押しする「攻め」の側面も重視しています。また、法務部門には現場の細かい情報が入ってきますし、ビジネス全体の流れが見えやすいという特徴があると思います。リスクテイクの判断に迷うがゆえに流れが悪くなるような部分があれば法務も協力して取り除く、というイメージを持っています。もちろん、法務部門のアドバイス自体で流れが詰まらないよう、留意しています。
――テクノロジー企業ならではの部門も有しているとのことですが、具体的にはどのような領域でしょうか。