* 本コンテンツは以下講演の【講演動画】と【全文採録記事】で構成しています (役職等は講演時点のもの) *
第2回 取締役イノベーション
特別対談1「今だからこそ『人的資本経営』の本質、目指す先を改めて考える」
開催日:2023年2月17日(金)
主催:JBpress/Japan Innovation Revie
人材を「資源」ではなく「資本」とする「人的資本経営」に取り組む企業が増加する中、人材育成や情報開示のあり方について悩みを抱える人事担当者は少なくないことでしょう。今回、人的資本経営推進のポイントについて議論を繰り広げたのは、一橋大学 CFO教育研究センター長の伊藤邦雄氏と、アステラス製薬専務担当役員 人事・コンプライアンス担当(※)の杉田勝好氏です。
※役職は講演当時のものです。
対談の冒頭において伊藤氏は、なぜ「人的資源」ではなく「人的資本」なのか、人的資本の本質とは何かについて解説。人材は使うと失われる資源ではなく適切な環境を提供すれば価値が伸びる資本であると語ります。一方で、日本では多くの企業が昔から人材の大切さを叫んできたにもかかわらず、従業員エンゲージメント調査の結果は世界的にみて最下位に近いという現実もあります。
これについて杉田氏は、海外企業ではエンゲージメントをめぐる人の入れ替わりが多い点を指摘。日本では人材を取り合うという競争意識が高くないことからエンゲージメント向上へのモチベーションが生じにくいと考察しつつ、日本でもスタートアップやベンチャー企業の経営者はエンゲージメントや人的資本に真剣になる傾向があると分析します。そして、エンゲージメントを高めるポイントについて、アステラス製薬 の取り組み事例を挙げながら紹介していきます。
議論はさらに、経営戦略と人材戦略との連動のためには何が必要か、人的資本情報の開示で留意するべきポイントとは何か、といったテーマへと展開。人的資本経営や人的資本情報の開示は、企業のさらなる成長のための絶好のチャンスであるとの見解が示されます。伊藤氏、杉田氏による最先端の議論に触れられる本対談は、人的資本経営について理解を深めたいという方々への大きなヒントとなるでしょう。
【TOPICS】
- なぜ「人的資源」ではなく「人的資本」か
- 日本企業の従業員エンゲージメントが極めて低い理由
- 経営戦略と人材戦略を連動させるには何が必要か
- アステラス製薬における取り組み
- 人的資本情報の開示におけるポイント
- 人的資本情報の開示におけるストーリーとエビデンスの重要性
- 人的資本経営や人的資本情報開示 は、人事にとって“千載一遇のチャンス”