プレッシャーと緊張を跳ね飛ばす
「医学的」で簡単な方法

(鶴岡 弘之)

ストレッチは本当にケガの予防になるのかと、疑問に思っていた。一時期、足のふくらはぎがよく痙攣(けいれん)することがあった(経験したことがある人は分かると思うが、激痛である)。痙攣するのはたいてい一日中歩きまわって疲れている時や、スポーツをしている最中だった。

・ケガをしやすくなる

 冒頭で、入念にストレッチをしても、ふくらはぎが痙攣したと述べた。小林氏によれば、実は「運動前の間違ったストレッチは、自律神経のバランスを崩してケガをする原因になる」のだという。

 筋肉には、縮める時に働く「屈筋」と、伸ばす時に働く「伸筋」の2種類がある。多くの人が行っているストレッチは、屈筋か伸筋かのどちらか一方しか伸ばしていない。それが自律神経のバランスを崩し、筋肉に送られる血液のアンバランスを招くことになる。

 要するに、ふくらはぎを局部的に伸ばす私のストレッチは間違っていたのである。ただ単にケガの原因を生み出していただけであり、むしろ、やらない方が良かったというわけだ。

 (次ページに正しい準備運動の方法を記載したのでご覧いただきたい)

副交感神経のレベルを上げればプレッシャーに打ち勝てる

小林弘幸(こばやし・ひろゆき)氏 
順天堂大学医学部教授、日本体育協会公認スポーツドクター。1960年生まれ。87年順天堂大学医学部卒業、92年順天堂大学大学院医学研究科(小児外科)博士課程を修了後、ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センターなどでの勤務を経て順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任し、現在に至る。

 自律神経のバランスを意識的にコントロールすることで、心身のパワーを最大限に発揮できるようになる。つまり、健康状態が良くなるだけではなく、仕事やスポーツのパフォーマンス、すべてが良い方向に変わる。それが小林氏の主張である。

 自律神経のバランスは、主に副交感神経のレベルが上下することで取られている。だから、副交感神経の低下を防ぐことが、バランスを取る上で大きなポイントとなる。

 実力のあるスポーツ選手であっても本番での調子にばらつきが生じてしまうのは、副交感神経が上下するためだという。

 小林氏によれば、プレッシャーがかかったり、緊張した時に身体が動かなくなるのは、副交感神経のレベルが下がって、身体の末梢部分に血が行き届かなくなるからである。だから、パフォーマンスを上げるためには、副交感神経のレベルを上げて血流を良くすればよい。

 一流のスポーツ選手は、意識する、しないにかかわらず、自らコントロールすることによって副交感神経のレベルを高めているという。

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