「ダボス会議」が1月15日からスイスのスキーリゾートで開催される(写真:World Economic Forum/Pascal Bitz)

2024年1月15日から世界経済フォーラムの年次総会、通称「ダボス会議」が開かれます。地球規模の課題をテーマに世界各国の首脳や企業経営者らが集まり開催されており、今年はイスラエルとイスラム組織ハマスの軍事衝突などの地域紛争、生成AI(人工知能)、脱炭素などが主要な議題となる見通しです。そもそも「ダボス会議」はどのようにして生まれたのか、やさしく解説します。(JBpress)

スキーのリゾート地に集う、欧州の経営者会議が始まり

「ダボス会議」とは、世界経済フォーラムの年次総会「World Economic Forum Annual Meeting」のことで、スイス東部アルプスの高地、ダボスで開かれることから通称「ダボス会議」と呼ばれています。毎年1月、世界を代表する政治家や経営者ら数千人が集い、数日間議論を交わします。例外的に新型コロナウイルス下の2021年は中止、2022年は5月に開催時期がずれました。

ダボス会議はスイスのスキーリゾートで開催される(写真:World Economic Forum/Marcel Giger)

 ダボス会議の主催団体は1971年に設立されました。創立者で現在も会長のドイツの経済学者クラウス・シュワブ氏は、株主や顧客だけでなく従業員や地域社会などに配慮しなくてはならないという「ステークホルダー理論」を提唱。設立当初は「ヨーロッパ経営フォーラム」という名称で、欧州企業の経営者などをスキーのリゾート地であるダボスに招いていました。

世界経済フォーラムの創始者で会長のクラウス・シュワブ氏(写真:World Economic Forum/Walter Duerst)

 1973年の第4次中東戦争の開始などを背景に、議題が経営から経済や政治、社会問題へと広がっていきました。1987年には「世界経済フォーラム」に名称を変更。同フォーラムの年次総会であるダボス会議は、世界から首相や大統領など政治家や企業のトップ、学者など各分野のリーダーが集まる会議として定着していきました。